【ボクシニ 〜20年のキセキ〜】⑥
「はっ!!!」
光に照らされ
白い世界に包まれて…
僕は目を覚ました。
目の前に映る光景は
マスクをし
帽子をかぶり
手袋もしている
全身白づくめな恰好
たくさんいる…
「何だ?どうなってるんだ??」
何が何だかわからない
さっきまで祖母と一緒にいたのに
気づいたら突然
全身白づくめな恰好をしてる人たちいる…
あまりの出来事に驚きを隠せなかった
唖然としていると看護師が声をかけてきた
…だか、何を言ってるのかしっかりは聞き取れない
ガヤガヤ…ガヤガヤ…
周りが騒がしい…
改めて周囲を確認すると
白づくめの人達は全員家族だった
ガヤガヤ…ガヤガヤ…
周りが騒がしい
声をかけられてるような気もするが
話してる内容がサッパリ理解できない
「なんで給食の恰好してるの?」
白づくめの恰好が給食当番の恰好にしか見えず、思わず僕から問いかけたが
その問いかけに返答はない…
ガヤガヤ…ガヤガヤ…
騒がしい時間が続く
「みんな元気だなぁ」
その発言にも反応はなかったが
マスク越しに見える表情が
笑っていることがわかった
その笑顔達にどこかホッとしている自分がいる
僕を介することなく盛り上がってる周囲を余所に
僕は祖母のことを思い耽る
ちゃんと話なかったことを残念に思いながら
もしかしたら助けてくれたのかもしれない…
そんなことを思いながら
少しずつ騒がしさがなくなっていく…
つづく
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