【ボクシニ 〜20年のキセキ〜】17

1月下旬〜2月2日

複雑な心境ではあったが
順調な回復をみせる
医師や看護師からは


『若いから回復が早い』


と、頻繁に言われるようになるが
僕自身はその話をされる度に
心の中で舌を出していた


食事のリハビリはというと
順調に進んでいき
徐々に固形物を口にするようになる
1月末日からは何を食べてもいい、病院食以外を食べることへの了承も得た


病院食以外を食べる許可が出てからは
味気のない病院食では満足できず
午後の面会時間には
テレビCMで流れるマクドナルドの新作を毎日のようにお願いした
そんな順調な回復をみせる一方で


肝臓から漏れ出る体液の数値が下がらない


何を言ってるのか理解ができなかった僕は
何度も聞き直した


肝臓を縫ったところから体液が漏れ出ている
それを吸い出すために身体にチューブを入れて
無理矢理身体の外に出している状態
身体の回復は順調だが
この体液の量が減らないと退院はできない 


と言われ続け、何度聞き返したか覚えてないが…ざっくりと理解した。
少しでも早く退院したい僕からしたら
傍迷惑な問題でしかないが
逆らうわけにもいかない…
かといって、何をどうすることもできない…


「ふぅ〜…」


管だらけの自分の腹部を見ては
ため息しか出ない…


翌日2月3日

数値の変化は特にない
何もどうすることもできない
そんな入院生活はまだまだ続く…



つづく


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