ブラック・アイズ

『黄昏流星群~人生折り返し、恋をした~』が終わってしまった。これから自分はこの鬱屈な日々をどう過ごしたら良いのだろうか。毎週木曜日の楽しみは、第十話であっけなく幕を閉じてしまった。最後の二話は正直物足りなさを感じた。第三話、第四話あたりの急展開やカタルシスと比べると、少し冗長気味であった。それでも最後は黒木瞳が幸せになる結末で、自分は胸を撫で下ろし、良かったやんか、と思った。第一話と第二話を見ていなかった自分は、FODというフジテレビのアプリをインストールして、一ヶ月無料の会員登録をして、フリーWi-Fiスポットで改めて第一話から一挙に最後まで見た。頭がおかしくなりそうになりつつも、破滅的にのめり込んだ。結果、やはり中山美穂はキチガイであり、ジャニーズの奴の笑顔は気持ち悪く、佐々木蔵之介の顔面は圧巻だった。そして、黒木瞳は美しかった。

今までは、気の強そうな大女優、くらいの認識だったのだが、このドラマを見て以降、どうにも自分はおかしい。事あるごとに黒木瞳が浮かんでくるのである。牛乳を飲みながら、黒木瞳はあんまり牛乳好きちゃうかもな、と思ったり、自転車を漕ぎながら、黒木瞳には立ち漕ぎして欲しくないな、と思ったりして、あの儚い笑顔が脳裏に浮かんでは、妙に切ない気持ちになる。一体どうしてしまったのだろうか。先日などは、夢の中で黒木瞳と二人きりでしゃぶしゃぶを食べたほどである。名の通り、黒き瞳は美しく、見つめられた自分は、大いに照れ笑いをしながら豚肉を食べていた。自分は、黒木瞳に完全に惚れてしまったのである。

自分は、自慢ではないが、周りからはよく、ロリコン野郎と罵られる。確かに、年上女性にはさほど興味は無く、どちらかというと、JKに想いを馳せながらサクランボをかじったりするのが好きなのだが、そんな自分が、58歳の女優に惚れてしまったのだ。人を好きになるのに年齢なんて関係ないじゃないですか、とドラマの中でジャニーズの奴が言っていた通りである。それにしても、現在、58歳である。人智を超えた驚愕の美しさと可憐さではないか。

とある日の自分は、四六時中、黒木瞳に想いを馳せていた。そして結論、とりあえず黒木瞳の裸を見よう、と決意した。早速ツタヤに走り「失楽園」を借りてきた自分は、肝心の物語や役所広司の汗臭い顔面シーンを全て早送りすると、黒木瞳のヌードシーンだけを食い入るように見た。思っていた通り、華奢な体つきで、乳はあまり大きくなかった。色が白く、控えめな乳である。鎖骨と乳の間には小さなホクロがひとつある。乳輪も小さく、そして乳首も、小さめのサクランボであった。自分は、なぜかホッとした。良かった。ひとまずこれで安心やな。そう思いつつ、鼻毛を抜いて煙草を吸った。

何もいりません。舞台に来てください。