『ヤング・チャンネル』漫才編

きみはYouTube『ヤング・チャンネル』をもう見たか?かれこれ一年近く色々な動画を載せているから、暇で堪らんときにどうぞ見て欲しい。自分なりのおすすめ動画を挙げていこうと思います。まずは漫才編。

元々、漫才をYouTubeに載せるのが嫌で、漫才は!あくまでその瞬間の、生モノなんだっ!とほざいていたのも遠い昔、今では何本もあげている。自分で見返すことはほとんど無いが、多分何度見ても面白いと思う。我々の漫才は通常の、それこそM-1グランプリなどでお馴染みの競技的な漫才と比べると少し時間も長く、自由度が高いものが多いのですが、見ていて飽きることは無いのでご安心を。私のおすすめはこの4つです。

①「是非見て欲しいネタをYouTubeにあげてみた」

これは、ちょっとSFっぽい漫才でも作ろうかとなり、ベタにタイムスリップして未来の自分に会う設定で考えることにした。すると「中間地点で会う」というアイデアを相方が思い付いたのだ。40年後の自分と、30年後の世界で出会う。となると、30年後の自分も出てくるはずで、では30年後の相方はどうなっているか、その理由は…、と、ひとつのアイデアが膨らみ、スムーズに物語が作られる。あくまでリアリティーを保ちつつ、辻褄を合わせて流れに忠実なことが肝心である。SFではあるが、あくまで現実的な救いの無い話にしている。


②ヤングの30分漫才

久しぶりに会った同級生たちと担任教師への復讐を企てる話。これは「30」というライヴに出演したときに作った漫才で、30分漫才をやるという縛りで考えたものである。漫才というのは基本、若手のライヴならせいぜい5分、大御所でも15分程度で、繋ぎ合わせの無い30分の一ネタというのはあまり無い。ライヴの3日前まで我々は何も出来ておらず、深夜、難波のサ店で二人とも唸っていた。その店は治安が悪く、ホストや風俗関係、反社会的な雰囲気の輩が大勢おり、煙草の煙がもくもく充満しているような、しんどい店だった。アイデアが何も浮かばず、我々は頭を抱えながら、何やねんこの半グレ喫茶、などと情けなく笑っていた。その様子から、自分が「美人局に合う」という設定を言ったのだ。その男の犯人が…「昔親友だった同級生」だったらどうだろうか?そこからするする流れるように30分の物語が出来た。こうした漫才においては登場人物の名前やパーソナリティが重要となる。みっちょん、むーやん、とか、真島といった名前にどれだけ感情移入出来るか。だから名前については、リアリティーがあって、なおかつ愛着の湧くものを考える。後は、イメージしたときの映像をしっかりと思い描く。絵を浮かばせることが大切なのだ。子供の頃のオリジナルギャグや、深夜の校庭で四つ葉を探すシーンは、本番前まで自分の中でも定まらなかったのだが、絵を浮かべて喋れば何とかなるものである。この漫才はまだ一度きりしか演っていないが、またどこかで披露したい。


③「FM えとろふ(45.3Mhz)の「レディオ・オン・アイス」にゲスト出演してみた」

ちょっとタイトルは意味不明だが(相方考案)、深夜ラジオ風の漫才。我々は高校一年のときに初めて舞台に立ったのだが、そのときのネタが「オールナイトニッポンをやりたい」というものだった。実際に二人とも深夜ラジオが好きで、そんな話から作ったのだ。この漫才はAMではなくFM。元々は昔大阪城野音で単独ライヴをしたときに無料配布した漫才CDの中に収録された一本である。それは、朝に聴く漫才と昼に聴く漫才と夜に聴く漫才の三本が入っているというもので、朝は「おはよーございまーす!」と元気いっぱいの漫才、昼はお腹が空くような漫才、で、夜は渋い声で深夜ラジオをやる漫才、だった。それを舞台でも出来るよう作り変えた。ネタ作りの段階から二人とも大笑いで、あかん腹痛い、となりながら作った。とにかくお互い好きなだけふざけて、二人でくすくす楽しいことを演るだけのネタ。そうしたネタは幾つかあるのだが、これもそのひとつ。


④「富山県民ばりに薬飲んでみた」

鼻炎のために薬を飲んで、その副作用でお腹が痛くなるので、腹痛の薬を飲んで、その副作用で…。という漫才。これは実際、私が鼻炎のために時折鼻炎薬を飲んでいることから作った。昔のnoteにこのネタの原型がある。

こうしたネタは、物語では無く、どちらかというとゲームである。なおかつ数学であり、つまり絵では無く、図を書くことから始まる。各薬とその副作用を書きながら、これがこうしてこうなると…と頭がこんがらがりつつ、ルールを決めてゲームする。この漫才は特に、ぼんやり見ている人からすると理解が追い付かないだろうけど、それでも楽しめるような気がしたので、そのまま演った。私は、何かについて説明する、ということが好きで、この漫才はただただ服用している薬の説明をすれば良い、と思えば自然と喋れる。

他にも面白い漫才を載せているので、また見てください。感想待ってます。

何もいりません。舞台に来てください。