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月火水木金金

 夢の中でnote書いてたよ。悪夢。

 しばし忙しくてお休みしてました。さて今日のおはがき。
「お客様からみたら店員の体調不良は関係ありません」
 前回にもちょっと言ったこちら、販売側に指導されるというお話でした。なので接客業だといついかなるときも微笑んでおくべしという。
 お客様は店員に「ハイヨロコンデー」以外の答えを求めていないのです。

 昔、月月火水木金金という言葉がありました。歌です。休みなく働く労働賛美の歌です。
 ただこれ元は軍歌なので……そりゃま、そうでないと休んでいるとその間にヤバいことになってしまうので、わからないでもないですが。
 誰かが言っていた「戦後、日本人は戦争をするように仕事をした」というのは本当だったと思います。それがために高度成長期を迎えたのですがね。
 あの時の理念は尊いものです。ただ、解釈によりおかしな部分が出てくるのですが、それも無理矢理運用されちゃっているのです。

 シマシマも当然、具合の悪いことくらいありました。しかし、そこは人件費をケチったワンオペ。代わってくれるものなど誰もいません。
 しばし我慢はしたものの、耳鳴り、吐き気、それからすっごい眩暈が襲ってきて耐え難くなってきたころ。ダメだ隣の店の人に番をあずけてトイレいこうとしていたら、お客様がやってきました。
「すみませーん」
「……いらっしゃいませ」
 笑顔とか出るか。吐きそうなんだわ。真っ直ぐ立つことも困難だ、フラフラしている。
「これってどんなお菓子ですかー?」
「……これは……あの……まんじゅうに……なりまして……」
 真っ青な顔した店員が言葉に詰まりながら倒れかけのコマみたいにゆらゆらしてたら、あなたはどう思うだろうか。笑顔がたりないと思うだろうか。悪いがガチでこれが精一杯の状態だ。
 この時のお客は、よくあるクレーマーのような、そんな厳しいことは言わなかった。ありがたい。だが、容赦はなかった。
「これとこれ、どう違うんですかー?」
 おお、さらに聞くのか。あくまでお買い物を楽しんでらっしゃるのですからね、いいことですわホンマ。
「こっちが………………つぶあんで…………これこしです……………………」
 具合悪いですを前面に押し出すスタイルでケースを掴んでかろうじて立っている。帰ってくれないかなぁ。何かをお察ししてひきあげてほしい。悩んでらっしゃるようだし。他にもほらいっぱいありますよ別の店。
 しかし、帰らなかった。そのあと二つ三つさらに質問を重ね、んー、などとたっぷり悩んで客は言った。
「んー。じゃあこれ三箱くださーい」
 客って強ぇな!!
 その時思った感想はそれだった。ガチ容赦ねぇ。上半身で円を書き、大きくスイングさせながらいつもの倍の時間をかけて包装する。出来上がりはしらん。
 店員の体調は全く考慮しないお客ガチ勢だった。いっそすがすがしい。シマシマはそのあとトイレ行って吐いた。その後立てなくなって、さすがに早退させられた。

「お客様は神様です」なども同様。
 理念は尊いものです。それは本当。ただ、おかしな解釈のまま突っ走るとどうなるのかというと、理念そのものから否定されはじめるのです。
 マナー講師がアホな失礼ひねり出したら失礼クリエイターと呼ばれて笑われ、マナーそのものから不要説を出されるかの如し。
 健康な時に一生懸命接客すりゃいいのよ。具合の悪い時は休んで。
 当たり前のことでも、コロナがこなければ出てこなかった理屈ですらある。もっと「一生懸命働く」という理念の本質を見ようよなるほどくん。

 あとワンオペやめろ。

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