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鏝絵の集落へ 自転車散歩

「茅野市 鏝絵」で検索したところ、北東に4キロほどの「笹原地区」に鏝絵の蔵がたくさん残っている場所があるらしい。
ワクワクするじゃないか。これは行かねば。
07:50 暑くなる前に、マイ自転車・アルカディア号発進!

白山社

湯みち街道への分岐に神社があったので、立ち寄る。
なんと「御柱」が立っているではないか。そんなにすごい神社なの?

お祭りの時にここも通るのかな?
石の祠の四隅にもミニ御柱がチマっと立ってる
どの祠にも御柱があり、なんとも独特の雰囲気だ。


須栗平区

いいものを見たなぁと、ちょっと得した気分で白山社を通過する。
と、予想してなかった場所にポツポツと蔵が現れる。
後で調べたら、「須栗平区」に相当する。

いきなり恵比寿様が鯛を釣っているので、テンション上がる。

しまった望遠に強いカメラを持ってくればよかった
なんとも美しい窓。
屋根でかっ。「入」のようなアンシンメトリーな作りがオサレ
わ〜、踊ってる踊ってる!
軒下の飾りも素敵。アヤメか菖蒲か


右に左に、蔵を見つけてはフラフラ移動できるのが自転車のいいところだ。
しばし走ると合気道道場の前に、素敵な花が咲いていた。

久々に「ハナノナ」アプリを立ち上げてみる。
紫の花は40%ぐらいの確率でムラサキクンシラン
白の花は100%ハクチョウソウなんですって。

こうやって名前付きで撮れるのが便利。図鑑みたいだ。
100%出たの初めてだな。


笹原地区

笹原公民館に軽トラがわんさか集まっていて驚く。
日曜8時過ぎ、町内会でもあるのだろうか。
住民同士のキャベツの受け渡し現場を目撃。なんかいいところだ。
その脇をすり抜け、お目当ての集落に潜入開始だ。

蔵と納屋スペースが合体した作り。屋根が広い。
わかりにくいけど、竜は結構な立体なのだ
母屋と蔵が合体!寒い地方ならではの工夫らしい。
明治21年建立のお地蔵さん 案外新し目だ。
アルカディア号記念写真。
いい形の木ですなー。なんともいい佇まいの蔵。


かなり近くで見られた鏝絵。千鳥、荒ぶってるな。
こっちの面は亀。波の躍動感がすごいぜ。
別の面は鏝捌きが綺麗。複数の職人でコテコテしたな?
これが全景。立派なお蔵の中には何が入っているのだろう。


鞍の下まで綺麗。そして踊る大黒様キター!
うまさは須栗平区の方に軍配が上がるが、味わい深いことよ
大国様人気だな。こっちはビビットな色使い
お顔がなんだかゆるキャラだわ
今度は恵比寿様。妙にくっきりしてるよ
円を黒く縁取っているのが「くっきり」の原因か?
遠景。こんな感じの集落。うわー夏だわ。
不思議なお顔立ちの火除け地蔵。大陸系入ってる?


この集落は何で栄えて、こんなに蔵が立ったのだろう?
そしてここに鏝絵を広めたのは誰??
ググってみた。

碁盤の目の町づくりがなされた笹原は、江戸時代に武士を中心に入植開拓された地域です。開拓以前は、高島藩のお殿様が、諏訪大社の春のお祭りに鹿をお供えするために鹿狩りをする「御留野」だったそう。

RKBオンライン「水の郷・こて絵の郷 笹原地区~茅野市」より引用


75頭の鹿の首を捧げる「御頭祭」の鹿は、この辺りで狩られていたのか。

今回土蔵がなさそうなのでUターンした道、もう少し進むと「鹿狩神社」というそのものズバリの神社があったのに・・・惜しいことをした。
いや、再びカメラを持っていかねばなるまい。


土蔵の中は特にすごいものではなく、農具を入れていたという話もちらっとあった。豪華な農具入れだなオイ。

道沿いに用水路があり、トウトウと水が流れていた。稲作のためだ。
これは尖石考古館前の銅像の人、坂本養川のお仕事。
さらに豊富な水を生かして庭にいけすを作り、お魚を養殖し、食料にしたという。リッチですね。

鏝絵をこの地に広めたのは、茅野市出身の小川天香氏。
長八>今泉善吉>小川天香ときて、天香晩年に鏝絵塾を茅野で開き、たくさんの生徒がここでコテコテしちゃったそうです。(参考:くらフォーラム)



歴史と文化がたっぷりの集落がこんなに近くにあるなんて・・・
ちょっとした観光気分を味わい、1時間の自転車散歩を終えたのでした。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

帰り道、偶然にも鹿の群れがキャベツ畑の向こうに見えた。

ググっててちょっと面白かった記事↓
くらフォーラムin八ヶ岳山麓
75頭の鹿の首を捧げる「御頭祭」って? 縄文時代は終わったあともスゴかった!【長野】(和楽)



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