来歴
寒っと思ったら、暑っ!
気温変化が激しすぎる。
10年日記を見ていたら、2018年も工房に行ったら先生が暖房をつけていたと書いてあったから、この時期はこんな感じなのやも。
和室のクローゼットに押し込んであった着物が入った箱を片付けようと中身を出したら、たとう紙に入っている覚えのない着物三枚が出てきた。
ん?この着物たちは・・・どこから来た?
祖母のかな?
それにしても、全く記憶がない。←もともと物凄く記憶力が悪い私
一枚は袷の長じゅばん。残り二枚は長着。
とても古い。
好みの柄でもないので、もったいないけど捨てようかと思っていた。
箱を潰そうとしたら、送り状が貼ってあるままだ。
それを剥がそうとして、ふと見たら・・・送り主の住所が小豆島と書いてある。
・・・・この名前と住所は!
実は夫のおばあさまが、若い頃に広島に住んでおられたことがあって、そこで働いていた会社の同僚の先輩が小豆島に住んでおられた。
娘が生まれた時に、お祝いを送ってくださったのがご縁の始まりで、手紙のやりとりや季節のご挨拶をするようになっていた。
全く血縁も面識もなかったが、なぜか意気投合。
その頃すでに齢90代だったと思う。
100歳を超えられて亡くなられるまで交流が続いた。
時々、子供たちの写真を送ったり、娘が2歳の時、第二子妊娠中にフェリーに乗ってお会いしに行ったこともある。
シャキシャキ歩かれる姿が今も心に残っている。
とてもハッキリものを言う方で、贈ったものが口に合わない場合は、この品は今後要らないと手紙を送ってこられて、とてもびっくりした記憶がある。
季節の挨拶には、小豆島名産のそうめんやキーウィなどを送ってくださった。
着物が入っていた箱に「衣類」と書いてある。
そうだったんだ。この着物たちは小豆島からやってきたんだ!
一体何十年前の着物だろう。
襦袢もシミが出ている部分もあるけど、綺麗な所もある。
捨てようかと思っていたけど、あのかくしゃくたる姿を思い出したら、捨てるのが忍びなくなってきた。
解いて使える部分があれば使ってみようか。
ちょうど、洗い張りに出した四つ身が上がってきたので、長さが合えば裏地に使ってみようかな。
100歳を過ぎてもお元気でおられた方だ。
長寿にあやかれるかもしれない。
他の着物も胴裏の変色が激しい。
縫い直して着物として纏うか、解いて洋服にするかして活用出来たらなと思っている。
古い着物は、これまで辿ってきた来歴があるだろう。
手をかけることで、また蘇る。
これからも長い時を生きていくだろう。
どこから来たのか知ったなら、その人を想い、共に過ごせる気がする。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?