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GTOツールの使い方|超訳GTO Wizard [3]


 

超訳GTO Wizard」の説明は第一回を参照

 GTO Wizardのようなツールは、特定の戦略を暗記するためにあるわけではない。そもそも、全てのハンドの戦略を暗記することは不可能である。スタックの深さ、レンジアドバンテージ、ナッツアドバンテージ、ベットサイズ、ポジションなど、マクロな視点に昇華させて理解することが重要である。それに加え、心理学的な側面も理解し、GTOも活用できるようになれば、なお素晴らしい。

以下の思考ステップは、ポーカーを探求する上で重要である。

  1. 良質な疑問を持つ

  2. 良質な疑問が持てない場合(任意)

  3. 仮説を立てる

  4. 仮説を検証する

  5. GTOの解析結果を確認する

  6. 結論を導き出す

  7. 結論から見出される新たな疑問や仮説を考える

1.良質な疑問をもつ
 GTO Wizardを使えば1000万通り以上もの解析結果にアクセスできる。ただ、闇雲にソリューションを眺めるのは非効率な勉強法である。あなたがポーカーのプレーや観察を通じて生じた疑問を発端として、解析ツールを利用した方が効率的に勉強ができる。
 例えば「スタックの深さはSPRの時のCbet戦略にどのような影響を及ぼすのだろう」というような戦略的概念に昇華した疑問は良い疑問である。「FlopがAK8のときにKQはベットすべきか」や「スタックが深い時に大きくベットすべきなのか」とうような疑問は、戦略的概念にまで疑問に昇華できておらず、いい疑問だとは言えない。

良い疑問は例えば、以下のような疑問である。

  • モノトーンボードで、どのようなハンドがいいブラフの候補になるだろうか?

  • BBvsBTNのSRPにおいて、どのようなハンドがチェックレイズに向いているのだろうか。

  • プリフロップのレイザーがターンにCheckをした時に、どれくらいの頻度でOOPはリバーでブラフをするべきか。

  • ドローのとき、どのような時にターンでベットし、どのような時にCheckしてリバーのフリーカードを見に行くべきか。

これらの質問の解像度をあげて、特定のスタックの深さやポジション、プリフロップのアクションについて考えることができるとなお良い。科学的な研究と同様、特定の条件を固定して、テストすべき変数を変化させながら検証を進めることはポーカーの戦略を理解する上で大変重要である。


2.良質な疑問が持てない場合(任意)
 
あなたが上記の「疑問をもつ」のstepにストレスなく取り組めているならこのステップは不要である。ただし、もしあなたが良質な疑問をもつことが難しいと感じるのであれば、おそらくあなたは基本的な戦略についての理解が足りないだろう。GTOのSolutionの確認をする前に、あなたはポーカーの戦略、概念について勉強するべきである。例えば、「スタックの深さはSPRのIP(In Position)のCbetの戦略にどのように影響を及ぼすのだろう」という疑問にぎこちなさを感じるのであれば、まずは「レンジアドバンテージ」「Cbet」「Stack-to-pot ratio」について理解を深めてから次に進む必要がある。まずはポーカーの基本的な概念や用語の定義を勉強しよう。

3.仮説を立てる
 
特定のシナリオを検証する前に、自分で仮説を立ててみよう。上記と同様に、解像度をあげて考えることが重要である。ベットサイズ、ベット頻度、特定のフロップで最も頻度高くベットするハンドについても予測する。予測を書き留めておくこともよいだろう。
 特定のハンドの解を覚えるだけであれば、それは簡単な作業である。ただし、繰り返しになるが、それは非効率な勉強法である。疑問について深く考え、自分なりに仮説を立て、検証を繰り返し、その仮説の検証に必要なことはやり切ると良いだろう。「ああ! X だと思っていたのに、実際には Y だった!」という発見があれば、新しい知識を記憶する際に役立ち、忘れずらくもなる。最も重要なことは、勉強することではなく、記憶したことを次に実践で思い出して、活かせるようになっていることである。

4.仮説を検証する
 良質な疑問をもつことができたら、テストするべき変数・対象は特定できている状態なので、実際に検証をしていこう。
例えば
・もしあなたがスタックの深さによるCbetの大きさを検証したいのであれば、フロップやプレイヤー数などの条件を固定して、スタックの大きさだけ変更しながら検証していく。
・もしあなたがターンでフラッシュが完成した時のダブルバレルの戦略を検証したいのであれば、プリフロップやフロップのアクションをさまざま変えながらターンのフラッシュ完成時のダブルバレルの戦略にだけ注目して検証していく。
 一度に複数のことを変化させながら検証すれば混乱が生じる。例えば、FlopがK♦ 8♦ 2♠でES(Effective Stack)が40bb・BTN vs BBのCbetの検証と、同じフロップでESが100bb・UTG vs BBのCbetの検証をして変化を観察したところで、その変化がESによる違いなのか、ポジションによる違いなのかがわからず、正しく理解することはできない。
 この記事(https://blog.gtowizard.com/how-to-become-a-gto-wizard/)(現時点は英語・いつか超訳するかも?)は、GTO Wizardを活用して仮説を検証する方法について解説されているので参考にすると良いだろう。例えば、以下のレポート(図)ではBTN vs BBでESが60bb、SRPのMTTのとき、あらゆるFlopのカードに対するCbet戦略について理解することができる(集合分析レポート)。ここで、ESを変化させながらレポートの変化を観察することで、BTNのCbet戦略について理解を深めることができるだろう。

5.GTOの解析結果を確認する
 
GTOの解析結果と、あらかじめ設定した仮説を比較してみよう。特に驚いたことや、仮説と異なっていたところをを中心に、できるだけ細かく解析して記録すると良いだろう。仮説と異なっていた点を解析することは特に重要で、あなたの考えがより正しいポーカー理論に近づいたことを意味する。なぜ仮説と異なるのかについて、深く探求しよう。

6.結論を導き出す
先ほどのステップまでで、仮説と間違っていた点を解析できたら、結論を導くことができるだろう。

  • スタックサイズが深くなるにつれて、Cbetの頻度が変わるのはなぜだろうか?

  • なぜFlopによってもCbetの頻度が変わるのだろうか?

  • ボードのカードがCbetにもどのように影響を与えるのだろうか?

このように解析していけば、"スタックがディープであればいつもCbetを打つべきだ"なだというような考えは否定できるだろうし、Cbetに関する一般的な傾向について掴むことができるだろう。仮説を検証して、最も大事なことは
「学んだ結果、今後のActionにどう活かすか。」
である。学んだ結果、今後のアクションの方針として「SPRが低い時はSlowPlayが増やす」や「SPRが高い時はオーバーベットをすることを増やす」など、明確な目標を立てよう。

7.結論から見出される新たな疑問や仮説を考える
上記のようなフローで何か学ぶことができたなら、あなたのポーカー理論はどんどん改善していくだろう。仮説を立て、考えて、結論を導き、改善していくことがルーティーンになれば、あなたのポーカー人生をより良いものになるだろう。Good Luck for your poker jourey!

この記事は、GTO Wizardの下記のブログを元に、わかりやすく編集して広めることを目的として作成されている。原文が気になる方は以下を参考にされたい。

[参考]How to Study GTO Solutions

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▼GTO Wizard


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