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無痛分娩?自然分娩?息子の病気によって妊娠中の母が検討したこと


今回は大理石骨病骨髄移植を控えている息子の母である私の妊娠生活や出産にあたって検討したことを書きたいと思います。

妊娠生活と入院生活
2020年3月妊娠発覚と同時につわりが辛く、息子と一緒に実家へと帰ってきました。中には入院が必要なくらい、もっとつわりの重い人もいるとは思うのですが、私は週一くらいで産婦人科に点滴をしてもらいに行っていました。5月中旬頃にようやく動けるようになった事で、長男の病気が発覚するのですが、この時点で体重が4キロ程痩せていました。ところが付き添い入院生活でさらに1キロくらい痩せたので、予期せずして体重がだいぶ落とされました。メリットとしてはその後の体重管理をくらうことが無かったのですが、身体の虚弱感は否めなかったです。付き添い入院中は家族が来てくれた時に少し病室を抜け出して、階段を昇り降りして体力をつけていました。運動なんて大嫌いで生まれてこの方動いたことがないのですが、この時ばかりは体力作りしなければヤバいという危機感があったので、多少は動くようにしていました。
私の妊娠生活、産婦人科をだいぶ変えることになってしまい、合計で4つの病院にかかりました。妊娠確認をした病院→つわり期に点滴した実家近くの産婦人科病院(長男出産の病院)→息子の入院に合わせて大学病院→実家近くの総合病院。だいぶ産婦人科ジプシーしたと思います。産婦人科を変えると、その都度紹介状が必要になり、血液検査や必要書類がたくさんあって大変です。里帰り出産など計画的に変える場合はいいのですが、3施設も分娩予約して...滅多に変えるもんじゃないなと思います。施設の変更はなかなか気持ちとしても落ち着かず、必要だったとはいえオススメしません。


民間の臍帯血保管の検討
妊娠中一番検討した内容として、民間の臍帯血保管があります。以前、息子の治療の選択肢として臍帯血について書いたことがありましたが、それとは少し異なる内容です。息子が治療でお世話になるかもしれない臍帯血バンクとは、多数の保管されている血縁ではない臍帯血を治療に使うシステムです。この民間の臍帯血保管は、出産の際にお腹からでてきた臍帯血を将来こどもの万が一に備えて保管するサービスです。もちろん有料です。障害や病気になった際、自身の臍帯血は治療に有用だという治験データが出ているとのことです。私の場合、息子の治療に利用することはタイミングとして難しいのですが、お腹の子も同じ病気の可能性があるとされていて、臍帯血保管はとても大切なことなのではと考えました。もしかしたら将来的に息子が使いたいタイミングもあるかもしれません。
決して安いものではないのですが、兄弟に病気がある場合に適応されるプログラムがあったりするので(2020年現在)妊娠中の方はどんなものか検索してみてもいいかもしれません。
ただ注意が必要なのが、産科によって臍帯血保管を対応してくれるかどうかは違います。私の2つ目にかかっていた産婦人科病院では臍帯血保管は対応していませんとの事でした。分娩予定の総合病院では臍帯血保管に対応してもらえるので(初事例だそうです)産婦人科ジプシーの甲斐があったというものです。ちなみに大学病院の方では一件対応した事例があったようですが、患者さんごとに対応できるかその都度検討しているようでした。また妊婦が臍帯血保管する気満々で意気込んでいても、緊急帝王切開だったり採取できる血液量が少なかったり、細菌が入ってしまった場合は保管できません。

これは息子が生まれたばかりの時の写真

和痛分娩か自然分娩か
ネットなどで、二人目の出産の方が痛みを経験している分怖さを感じるというのを読んだことがあります。私はすごく忘れっぽくて、接客業だったのですが嫌なお客さんも忘れて再び対応出来る記憶力の無さなので、分娩の痛みは痛すぎて微塵も思い出せません。なので、こんなお産の方法を選びたいとかの希望があまりありませんでした。ただ、個人的には会陰切開の縫合が痛くて痛くて今でも一番それを恐れています。
息子の出産のときの話なのですが、平常時に問題無かった血圧がいきなり上がり、頭の血管が切れちゃいそうということで吸引分娩になりました。以前、遺伝子検査について書きましたが、お腹の子は25%の確率で大理石骨病の可能性があります。お医者さんはお腹の子がもし同じ病気を持っていたとすると、吸引分娩は避けた方がいいという見解でした。私としても吸引分娩や鉗子分娩の場合、会陰切開することが多いそうなのでその方針は有難いと思いました。
こちらも産婦人科ジプシーの賜物ですが、分娩予定の総合病院では和痛分娩が選択できます。日本では抵抗感を持つ人が多く、海外に比べて普及していないそうです。私は和痛分娩だから愛情足りないとかそういう考えは一切ないのでメリットがあれば選択しようかな~と、検討しました。簡単に私が受けられる和痛分娩がどのようなものかというと、陣痛がほとんどMAXのところまで来たら背骨のところに麻酔を注射し、痛みを取った上で分娩するというものです。私のところでは通常の分娩にプラス10万円が目安の費用だそうです。

私が個人的に感じた和痛分娩のメリットは以下の通りです。
例によって、詳しく知りたい方は対応病院で確認していただくのがいいと思います。
・血圧の高い妊婦さんの血圧上昇を防ぐ効果が期待できる(一番メリットを感じました)
・一番強い痛みを経験しなくて済む
→そのために産後の疲れが少なく、回復が早い
・緊急帝王切開など緊急時のオペに移行しなければならない場合に時間が短縮出来ることから、妊婦の死亡率が下がる。

デメリットとして感じたのは以下の通りです。
・吸引分娩や鉗子分娩などお産の介助が必要な可能性が高い(それに伴って会陰切開になる可能性も高い)
・麻酔後に痛みが引くことから、陣痛促進剤を打つことになる
・対応の麻酔科医が少ない病院での事故が一時期ニュースになっていた
・まれに麻酔による疾患が引き起こされる

助産師さんに「痛みが辛すぎて、陣痛が進む中でやっぱり和痛分娩にして!って人はいるんですか?」と質問したところ、滅多にいないけれど稀にいるとの事でした。ただ、私の場合経産婦なのでお産の進みが早く和痛分娩を希望したところで間に合わないかも。と、言われました。自分が経産婦ということを失念していたので、一人目よりもあっという間にお産が進むかもと思うと、痛みによる疲れの軽減とかそんなに考えなくていい視点なのかなと、思いました。(甘いかな?)和痛分娩でも産後の痛みや身体の負担があるのには変わりがないはず。(なぜなら忘れっぽいので1人目の経験ときっと比べられない気がする)血圧上昇を抑えられるメリットと吸引分娩、鉗子分娩になる可能性が高いデメリットをお医者さんと相談しました。
結果として、和痛分娩にして鉗子分娩の可能性を高める必要性がないので、自然分娩がいいでしょうと言われました。帝王切開にするほど鉗子分娩を避ける必要は無いとのことでした。
それもそうかー!と、いうことで自然分娩になりました。和痛分娩がどんななのかやってみたい気持ちもあったので、少し残念です。和痛分娩はどの病院でも出来る訳ではなく、メリットデメリットを知って検討できたのは良かったなと思います。

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