見出し画像

推理小説

『鑑定人氏家京太郎』 中山七里

中山七里さんの新シリーズ・第1弾です。

新たな主人公は、鑑定士の氏家京太郎。民間の科学捜査鑑定所である氏家鑑定センターの所長。3人の女性が殺害後死姦され、子宮を摘出・遺棄される猟奇的な殺人事件の容疑者について、弁護士から鑑定依頼を受ける。

容疑者は3人のうち1人の犯行だけは否認している。また、3人の殺害を立証する検察側の鑑定通知書には、違和感がある。犯人の体液の再鑑定を試みるが、試料の盗難や鑑定センター職員への暴行など、何者かからの邪魔が相次ぐ。

真実をゆがめているのは誰なのか。

対立構図その①
民間鑑定センター VS 警視庁科捜研
もともと警視庁科捜研に所属していた氏家と、当時からライバルだった科捜研職員・黒木。再鑑定をもくろむ氏家に対し、試料は全量消費したと主張する。

対立構図その②
弁護士 VS 検事
吉田弁護士は元検事で、いわゆるヤメ検の弁護士。東京地検の谷端検事は、吉田とは犬猿の仲。

難解な事件と、複雑に絡み合う人間模様。そして、終盤の緊迫した公判を経て、驚くべき真実が暴かれます。中山七里ならではのサプライズ的な展開に、もぉ~ビックリ👌

分析と検討をとことん繰り返し、愚直に真実を追求するニューヒーロー・氏家京太郎の姿には惚れ込みました❣

県警のアマゾネスと称される高頭警部や、天才法医学者・光崎など、他シリーズからも魅力的なキャラが登場し、華やかな面白さもありました。そして、今回は登場しませんが、御子柴もこの氏家鑑定センターの常連客。次回作以降、どこかで再会、の期待もふくらみます🎶🎀

題名は「現代推理小説」であり、わたしが書店アプリの「電子版の新刊一覧」から見つけていつか読もうとブックマークしたのが 2015-16年だが、初出は伝説の「幻影城」の末期、昭和四十年代。都築道夫が数少ないミステリ作家として孤軍奮闘し、あとは社会派の森村、斎藤。赤川次郎がデビューするかしないかというころのエセイである。ミステリではなく「推理小説」と書いてある時点で気付けよ、わたし。 ……そういえば、先日「将棋殺人事件」の文庫が再販された竹本、中井、赤江への言及はなかった気がする。 シモンズの唱えた、探偵小説→国際犯罪小説・スパイ・スリラー・サスペンス・ハードボイルドの流れに則り、松本清張の社会派推理小説などを論じる。推理小説が現実に対応し、古典風のパズル的要素小説よりも人間を描くことや小説としての質を追求し始めた結果、小説より奇なる現実に直面することになり、風俗小説に堕す作品も多くなった。80年代、権田は今後の推理作家の使命は全く新しい人口の謎を書くことであると説いた。反推理小説としての『虚無への供物』、人の弱さを認めるところから始まったネオ・ハードボイルドへの批判も興味深い。

画像1

画像2

画像3

画像4


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?