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オミクロン症候群

ジェームズ・アレンの『原因と結果の法則』ではないが、喜べない事象には必ずその原因がある。長年にわたる糖尿病や睡眠時無呼吸症候群が体を痛めつけてくれたおかげで、人に話すと「病気のコンビニ」と驚かれてしまうほどの不具合が体のあちこちにある。

銀座クリニックからもらった紹介状を持って、東横浜病院まで行ってきた。銀座クリニックはみなとみらいクリニックの分院だから、理事長の友人がそっち方面なのは当然で横浜、三ツ沢の近くを40年ぶりに走った。

今回の疾患は、「頸動脈狭窄症」である。右の頸動脈が50パーセント、左の頸動脈が70パーセント詰まっていることが超音波エコー検査で判明し、脳神経外科の専門クリニックであるこの病院で判断を仰ぐように指示されたのだ。

詰まりの数値を見ると重症のように思えるが、ほかに問題のない人なら経過観察レベルなのだという。ただ、ぼくの場合はすでにワレンベルグ症候群という脳梗塞に起因する症状が出ているため、治療を視野に入れた精密検査が必要と判断されたわけだ。

頸動脈狭窄を起こしているのは、血管内部に付着したプラークだが、これを放置していると小片がはがれて脳血管を詰まらせる原因になる。つまり脳梗塞のリスクが非常に高くなるということだ。だから十中八九、カテーテル治療を行うことになるだろう。

昨日は副院長による問診とMRI検査だった。気さくな副院長の郭先生は「大学病院ではこんなにスピーディーにはできませんよ」と言っていたが、まったくその通りだと思う。予約なしで紹介状を持ってきた患者をすぐMRIに回せるというのは素晴らしい。

本当はMRIより前に造影剤を入れて精密CTを撮りたかったそうだが、服用している薬の中に造影剤と相性の悪いものがあるらしく、そちらは年明けにその薬を止めてから行うことになった。来年1月7日がその日だ。

次回、検査の結果を踏まえて郭先生からの治療方針が出る。といっても頸動脈狭窄症の治療は3つの方法しかない。外科的に血管を切り開いてプラークを取り除く方法、カテーテルで患部を拡張し、ステント(金網)を置いてくる方法、内科的治療と並行して経過観察を行う方法の3つだ。

ここまで他人事と思って読んできた諸兄に申し上げると、頸動脈狭窄症は中高年の4人に1人がかかっているものだ。単独ではまったく自覚症状がないので、糖尿病などで定期的に検査していないかぎり、見つかることがない。そして放置していると脳梗塞を起こす。

検査は簡単で、首にゼリーを塗って超音波エコーを当てるだけだ。いろいろ不具合が出る年齢になった諸兄には、ぜひこの検査を受けることをお勧めしておく。

ちなみに、ぼくはたぶんカテーテルで治療することになると思っているが、この治療は2、3日の入院でできる。冠状動脈のカテーテル治療と同じだ。ぼくは冠状動脈の詰まりが複雑だったので心臓バイパス手術を受けたが、その際にカテーテルで造影剤を入れる処置をしたから、どんなものかはだいたいわかっている。

まあとにかく、不具合にはひとつひとつ対処していくしかない。あと10年かそれ以上、しっかり仕事をして世の中のために働くつもりなら、それは避けては通れない道だと覚悟している。

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