#15 いくら推しても崇めても「俺になれるのは、俺だけ」
こんにちは、夫婦でダンススタジオを運営しているシマムラ(妻)です。
突然ですが、いま "推し" はいますか?
わたしは残念なことにいないんだけど、韓流アイドルやジャニJr.を激推しして全国どこでもコンサートに行き、なんなら海外ツアー行きをも厭わない仕事繋がりのワーママ仲間がいます。
ママよ、ママ?
しかも編集者とかライターとかで仕事も大忙しなのに、さらりと家事育児仕事を調整して推しに会いにいく。
「推しがいるから仕事のしんどい時期も育児家事で忙殺される毎日も頑張れる」と熱く燃える彼女たちを見ていると、推しがいるのはなんと幸せなことだろうといつも思う。
彼女たちの推しとはちょっと違うんだけれど、夫いわく、ダンスのインストラクターという職業も、どうも推されやすいもよう。
推される、というか、濃いファンに熱心に崇められる、という方が合ってるかな。
夫が20代後半でメンズとして全盛期(?)だった頃は、日々ダンスを教えているメンバーたちから、そしてその保護者から、好かれ、推され、崇められ、それはそれはモテたのだそう。
今やメンズ全盛期は終わった(というと反論されそうだけど)夫だけれど、それでもメンバーはみな慕ってくれて、「先生だいちゅき♡」と言ってくれる幼児がいて、クリスマスやバレンタインにプレゼントをくれるメンバーがいて、まあほどよくモテてはいるのだろう。
そんな夫は、どうも最近入会した高校生男子からもモテているようだ。
”推す” というよりは、「自分も先生のようになりたい」と尊敬のまなざしを受けているのだろう。
そんな男子高生について家で話していたとき、夫はぴしゃりと言った。
「どんなに食いついてきても、マネしても、俺にはなれない。俺になれるのは、俺だけだ」
と。
■目標にするならいい。でも「あの人になりたい」は叶わない
習い事でも、仕事でも、尊敬できる人がそばにいるのは、とっても幸せなこと。
それがダンススタジオ内ではインストラクターである夫になるわけで、みんなから(かはわからないけどまあ見ている限りは多くのメンバーと保護者から)尊敬されているようで、大変恐縮な思いだ。
まだ幼児や小学生なら、
「先生すごい!」
「カッコイイ!」
という純粋かつキラキラな感じでおさまるからいいものの、高学年や中高生になっていくと、
「先生みたいになりたい」
「自分も先生みたいな実力がほしい」
と少しずつ自分と尊敬する人を重ねがちになる。
目標として設定するならいいのだけれど、そこからいきすぎると、何から何までその人のマネをして、その人になり切った気になって、謎の自信や満足感が染み出てくる、なんて子も出てきてしまう。
いや、待て待て。
「お前は俺になれない」
そう言うとキツく感じるかもしれないけど、その通りなんだ。
”俺みたい” にはなれるかもしれないけど、姿カタチをマネたところで、素振りをなぞらえたって、持ち物を同じにしたって、自分ではないどこかの ”俺” にはなれない。
そして、
「あの人になりたい」
と自分ではない誰かをうらやましく思い、嫉妬するようになると、自分に足りないものや持っていないものばかりが目に付くようになる。
そうじゃない。
できないことがあっても、持ち合わせていないものがあっても、欠点があっても、いいんだ。
それも含めて、自分。
自分は、自分にしかなれない。
そう、気付いてほしい。
尊敬する誰か、憧れの誰かを目標にして努力をし、経験を積み、自分を高めるならそれはいい。
でも「あの人になりたい」はいつまでたっても叶わない。
早く、自分は自分にしかなれないことを認識し、努力を重ねよう。
自分が大好きな ”ジブン” になれるように。
ところで、推しってどうやって見つけるの?
冒頭に話した推し活に熱心な彼女たちのように、推しを見つけたいのだけど、どうすればいいのだろう。
彼女たちと飲み会をするたび、推しのPVやライブ動画を見せられ、どれだけ尊いかのプレゼンを聞き、推しワールドに引き込もうと熱心にアタックされたのだが、残念ながら韓流アイドルにはみじんも興味がわかなかった。
ただ、
「推しがもたらすパワーはとんでもねえ。わたしもいつか推しが欲しい。ババアの人生が華やぎそうだ」
そう思わせる熱量と幸福感が彼女たちからはいつも溢れていた。
そんな彼女たちを見て、また思う。
わたしの推しは、いずこに。
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