見出し画像

【映画レビュー】『コット、はじまりの夏』


またまたステキな映画を見たんで、紹介しますね。

1980年代初頭のアイルランド。大家族にまた赤ん坊が生まれるということで、夏休みの間、遠い親戚の家に送られるコット。口数が少なく学校にも家にも居場所がない9歳の少女コッドと無骨ながら愛情深いアイリンとショーン。静かで温かい農場の日々を通して互いの心をほぐしていく様を描いた秀作。

言葉も説明も少ないけれど、時代背景、家族の状態、生活などが丁寧に描かれている。コットの両親が貧困ゆえに生活が殺伐としている。家は汚れ、子供の躾(しつけ)もなってない。親が子供に気をかける余裕がない。
一方のキンセラ家では風呂に入れてもらえ、爪の中まで汚れを取ってもらえる。櫛で髪を研いでもらう、静かにクッキーを渡してくれる、お小遣いを手に握らせ「アイスでも買いなさい」と言われ、一緒に新しい服を買いに行く。別に贅沢なことは何一つないんだけれど、アイリンとショーンの愛情にコットの閉じた心が少しずつ開いていく様がたまらない。

私も子供の頃、小学校へ行く前に母が髪を結んでくれていた時がある。日によって三つ編みだったり、ポニーテールだったり。遠い昔の出来事。今週末は、母の日ですね。

さて、本当に素敵な映画なので、機会があったらぜひ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?