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エッセイ

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長いつぶやきのようなものです。
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#思い出

ぬりかべ

「霊を見た」「UFOを見た」「オーラが見える」「オバケが出たから収録に遅刻した」なんていう話を聞くたびに、まあ最後のビートたけしのボケはともかくとして、いわゆる霊感のない私は、「そりゃまた随分と特殊な能力をお持ちなんですねぇ」と、少々意地の悪い気持ちを抱くことが多い。  オカルトに限らずあらゆる分野において、私は、非日常的な物事に対する好奇心が若干強い質なので、本当は羨ましいと思う気持ちも数滴ほど混ざっているのかもしれない。  いい歳をして我ながら少々情けない。  そういう

父との会話の記憶・復員兵の選択

 私が小学生だった頃。  その夜いつものように、家族で夕食の卓を囲んでいました。  小学校の授業の一環で、クラスの中でお遊戯会の出し物のようなことをすることがあって、当時私は、劇の台本を書くことを任されることがよくありました。  当時から、完全オリジナルで作り上げることができるほどの才は無く、勢い、童話や昔話をベースにちょいちょいといじって別物にするという手法はこの頃すでによくとっておりました。パロディとか言うんですかね。いいんだよ。手法その物はその昔芥川だってやったことで