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大乗こそ仏説

よく「法華経なんかの大乗経典は後世の人の創作だ」とか言う人がいるが、この人は大罪を免れない。

なぜなら、大乗経の存在を否定することは、世の菩薩の存在を否定し、衆生の仏性を否定し、一切衆生が仏に成る道を断絶させてしまうことになるからだ。
もし阿含等の小乗経のみが真実と言うなら、一切衆生は永遠に仏に成れないということになる。というのも、小乗教の修行は阿羅漢止まりで、成仏の道は説かれていないからだ。
それに、大乗を誹謗すれば大乗の五逆罪に当たる。この大乗経典を誹謗するのは恐ろしい罪であることを、仏はおろか、古の賢聖も明言されている。

大乗経典を謗ずる者は無量の五逆に勝れたり。故に阿鼻大城に堕して永く出づる期無けん。

「立正安国論」日蓮

謗法の罪は五逆よりも重し。悪道長遠にして久しく苦報を受けん。
偈に説かれるが如く
大乗の法を誹謗すれば 必ず悪道に趣く  
この人は業の報いを受けること 実智(仏)の説く所 
地獄の中に生まれ堕ち 大火がその身を焼き尽くす

「入大乗論」上巻 堅意菩薩

問うて云く、五逆と謗法と罪の軽重如何。
答て云く、大品経(信毀品第四十一)に云く「舎利弗仏に白して言く、世尊、五逆罪と破法罪と相似するや。仏舎利弗に告わく、相似と言うべからず。所以は如何。若し般若波羅蜜を破れば即ち十方諸仏の一切智・一切種智を破るに為んぬ。仏宝を破るが故に、法宝を破るが故に、僧宝を破るが故に、三宝を破るが故に。即ち世間の正見を破す。世間の正見を破れば則ち無量無辺阿僧祇の罪を得るなり。無量無辺阿僧祇の罪を得已つて則ち無量無辺阿僧祇の憂苦を受るなり」
又云く「破法の業因縁集るが故に、無量百千万億歳大地獄の中に堕つ。此の破法人の輩、一大地獄より一大地獄に至る。若し劫火起る時は他方の大地獄の中に至る。是くの如く十方に遍くして彼の間に劫火起る。故に彼より死し破法の業因縁未だ尽きざるが故に、是の間の大地獄の中に還来す」等と云云

「顕謗法鈔」日蓮

この通り、大乗非仏説論は無間地獄に堕ちるべき僻見である。これは肝に銘じておかなければならない。

仏教は人の心の病を治す薬でもある。その薬を素直に飲ませればいいものを、何かしら言い掛かりをつけて飲ませない人達がいる。あるいは、薬に毒を混ぜて飲ませようとする人もいる。
この譬えの意味は、昔から伝統ある経典の言葉を素直に信じればよいものを、信憑性や出所を改めて問いただして、異説を唱えて信心を失わせ、読誦を停止させたりすることをいう。後者は言葉を変えて読ませたり、時代遅れで日本人には不必要な原始(小乗)仏教を教え込んだりすることを意味する。

日本人には大乗が最適であるのに、それを今になって否定し、時代遅れで役立たずの小乗仏教を持ち込む。「これは“上座部”仏教ですよ」「これは”原始”仏教ですよ」という美名をあしらえて人々に勧める……。
釈迦の本意は大乗である。小乗の教えは、外道の常楽我浄の理を破らんがための入門の教えに留まる。それを釈迦の本意と思い込み、本物の教えである大乗を否定するのは、上下顛倒の錯誤も甚だしい。
誹謗大乗の罪を全く怖れず、後世の苦報も顧みず、日本人の成仏の道を破壊する仏教学者は国賊である。その罪を悔やまない者は万死に値する。

私は忠告する。仏教を学ぶ諸君、いかなる理由があろうとも、学者の広める大乗非仏説論に騙されるな。後で地獄に堕ちて後悔しても遅いぞ。もし学者に同調して非仏説を主張し続けるなら、自分だけでなく、他の大乗を学ぼうとする者の心も挫き、眼を眩ませることになる。
ただ、「大乗は仏説」と信じるだけでも功徳を生むのに、その初心までも奪う。酷すぎるなぁ。一切衆生の仏道の門を閉じて入らせないようにする悪魔の僕だ。

非仏説が流行っているからといって、その風潮が正しいとは限らない。ただ、「法(大乗経典)に依って人(仏教学者)に依らざれ」とあるように、大勢に呑まれず、永遠に変わることのない大乗の法を信じて、極悪の大乗非仏説論を今すぐ捨て去るんだ!

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