見出し画像

徳島県の無人駅「池谷駅」での取材日記

徳島県の無人駅「JR池谷駅」では、2023年から年2回、本屋のPOP UP「無人駅本店」が開催されています。興味を持って調べてみると、企画・運営をしているのは、関東の鉄道会社に勤める、堤聡さんでした。

なぜわざわざ徳島の無人駅で、本屋のPOP UPを?
本業を持ちながら、JR四国とどのようにこの場の実現を?
と堤さんのお話を聞いていくと、自分の中にある小さな種が、膨らんでいく感覚があった。

小さな違和感や「こうだったらいいのに」は、いつのまにか日常に埋もれていく。それは、必要な適応の一つでもあるけれど、ちゃんを見逃さずに、育てていきたい。
今回の取材を通して改めてそんな気持ちになれたし、埋もれていた小さな野望に気づくこともできた。
堤さんは、忘れていたものを思い出させてくれ、自分にはもっといろんなことができるんじゃないかと思わせてくれる人でした。

この場を始めたきっかけから、具体的にどう進めてきたのか、今何を感じているかなど、たっぷりと聞かせてもらえました。ぜひ、記事を読んでいただけるとうれしいです。堤さん、取材にご協力いただいたみなさま、ありがとうございました!


そして、この「無人駅本店」がとても楽しかった!
高松から列車に揺られ、車窓の景色は街から住宅街へと移り変わり、海と緑を抜けて一時間ほどで池谷駅に到着。この時間が、すでにいい。

開放的な駅の空間にさまざま並べられた本たちは、陽の光を浴びながら私を誘う。
本を眺めて、ふと視線を変えると広い景色が広がり、ときおり列車が止まっては、誰かを乗せて、静かに走り出す。
堤さんにおすすめを聞きつつ、ここで出会う本たちに興奮しながらなんとか5冊に厳選。
屋外のこんな開放的な場所で静かに本を楽しめるのが、とてもツボでした。自分のペースでゆっくり楽しめるのがいいなぁ。
次の開催は、2024年11月を予定しているとのことです。

●購入した本たち
発光/池田彩乃
衝撃の餃子/annie
ヒット・エンド・パレード/谷じゃこ
紀ノ国屋本左衛門/藤原 大作(編)
地下街への招待/Towers

実はこちらの開催を知ったのが当日一週間前で、その日は当時参加していたシェア型書店の店番と被っていたり、駅での取材許可も必要だったりと、直前すぎて無理かも……と思っていたのですが、多方面のご協力をいただいたおかげで無事取材に行けました(多謝!)。
インタビューは別途オンラインということになり、現地取材では可能な限り素材を集めておこうとすべてのお客さんに話しかけたのですが、思い思いに楽しんでいらっしゃる姿がとても印象的でした。

取材の後は徳島駅まで足を延ばし、遅い昼食として新しくできた餃子屋を訪問。屋外取材の強風や直射日光でへたった体に染み渡るビール、そして個性的な創作餃子に大満足。
賄いタイムに入った店主さんはライター仕事をされていたとのことで、ずうずうしく隣に座ってあれこれ話し、これまた楽しかったし、新たな出会いもありました。

目的地があって、人が動くと、何かが始まる。そんな感覚をじんわり味わう、日常と地続きの旅みたいな一日だった。「ちょっとだけ遠出」これから増やしていきたい。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?