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エルドラドはどこだろう

どこに住んで、どんな生活をしたいか、と問われると思い浮かぶ選択肢は2つに絞られる。
1:現実ーー生活しやすい環境が整えられている場所
2:理想ーーありえないとわかっていながらも夢を見ずにはいられない場所

16世紀の大航海時代にコンキスタドレス・侵略者たちが競って探したエルドラド(El Dorado・黄金郷)は噂や伝説ばかりが大きく膨らんだが結局は存在しなかった。当時はもちろん金やスパイスなどを求めての探検だったが、現代に生きる私たちにとってのエルドラドはどんな場所だろうか。

私が教える高校生たちは割と簡単に熟考することなく”欲しいもの”のリストを挙げる(*アメリカの私立校で歴史を教えています)

お金、自由、大学入学、ガールフレンド、睡眠、ムキムキの体、ランボルギーニ、自分のブランド、高級スニーカー・・・

そんなリストを微笑ましく思いながら自分は何が欲しいだろうと考えてもぼんやりとしか思い浮かばない。歳をとると形のないものが、そしてあまり現実味のないものが欲しくなるものだ。

健康、時間、無限のアイデア、超能力(笑)、不老長寿、世界平和

その延長としての私のエルドラド、あって欲しいけれど存在しないであろう黄金郷には何があるだろう。

綺麗な空気と青い空
季節の移り目を正直に見せる自然
水が流れる音
迫害・乱獲・絶滅の心配なく伸び伸びと自分の場所で自分らしく生きられる虫・動物・植物
寒い日は寒く暑い日は暑いことを楽しく感じられる自分
人工的な音が全く聞こえない空間
どこまでも果てしなく広がる星空・雲海・朝焼けや夕焼け

無くて生活できるならいいなぁと思う物もある
お金、車、時計、電話、仕事、悪い人間

そんな場所はないだろうから私が本当に住みたい場所は存在しないエルドラドでしかない。

現実的にはなるべく自然がいっぱいなところで幸せに暮らしつつ、日本への帰国やダイビング旅行とかに行きやすい国際空港まで運転できる距離に家を持ちたい。
夫も同意見で、お互い教職を引退し、たくさんお金があったら山を丸ごと買いたいと思っている。
人口密度の高くない、それでいて医療やインフラはきちんとしており欲しいものも食べたいものもあるところ。
葉っぱや海や果物の匂いがしたり、鳥や虫の生態が観察できるところがいい。
そして私の最推し・The ALFEEのライブまでヒョイっと行けるところに住みたい。

そんなところはあるのかな・・・と思いを巡らすと1箇所思い浮かんだ。

宮崎・青島

生まれて育ったこの町のそばに私の貯金で買える山が一つあれば買おう。
大好きな人たちをたくさん集めて静かにのんびり、波の音を聞きながら、星を見上げて、お母さん手作りのチキン南蛮を食べて、窓を全部開け放して風を入れ、庭の金柑や柿をもいで、アルフィーを聴きながらお風呂に入ろう。

黄金ではないけれど、それに近いキラキラなエルドラド。
好きなものが全部揃って幸せな場所。

シマフィー

お風呂に入りながら聞くのはもちろんThe ALFEE の”エルドラド”です






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