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教師シマリス

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学校の授業、教育系のアレコレ、楽しく学ぶ工夫、そんなことを書いた記事をまとめました。 現在アメリカの私立高校で歴史と科学などを教えていますが、それ以前は日米を含め6カ国で英語・コ…
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2020年11月の記事一覧

生徒と私に必要な”幸せについて”の授業が始まります

一週間の感謝祭休みも終わり、いよいよ月曜日から冬学期が始まります! 今年からのオンライン授業で時間割が変わり、何年かぶりに選択科目を教える時間ができたため、必修の授業で教えられないものをカバーしたいと思い新しいコースを作りました。カリキュラムの制限がある必修科目とは違い、選択科目は内容や教材も自由に組み立てられるので、その準備段階はまた違った楽しさと苦労があります。この1週間はほとんどがその準備に消えてしまったけれども、自分が生徒と一緒に楽しく学びたいことに焦点を置ける時間

私が出会った自由すぎた英語名リスト

私が現在勤務している高校にも世界中から留学生が来ていますが、英語名がある生徒も多数います。中国・台湾・香港・韓国・東南アジアの中華系の生徒はほぼ100%英語名を持っておりお互いも本名ではなく Eric やら Cindyやらと呼び合っています。ただ発音・読みはお互いの場合は中国語風(Eric の場合は エリッカゥのような音)です。日本人はあまり英語名をつける人はいませんよね。なんとなくはずかしいからでしょうか。 私が中国の大学で英語を教えていた時もほとんどの生徒が英語名を使っ

蜂蜜が狙いじゃない蜂蜜案内人

人間とWin-Winの関係で共存している動物、と聞いて何が思い浮かびますか? 犬、猫、などのペットでしょうか。 Win-Win の関係は Mutualism (相利共生)と言われ、異種の生物がお互いに得をする共生関係です。私がパッと思い浮かぶのはクマノミとイソギンチャク(外敵から守られ、餌を与えられ)、クエなどの魚とクリーナーシュリンプやベラ(クエの口内を掃除して餌を得る)などです。 人類が生物と相利共生している関係はほとんどありません。 動物・植物の相利共生は家畜化が根底に

何考えてたん?生物の学名の話

毎日noteで楽しみにしている記事がたくさんあるのですが、翆野 大地さんの野鳥についてのお話(クリックで飛びます)は知らないことばかりで、楽しく学ぶにぴったりなページです。先日記事で読んだミツオシエという鳥が面白いなぁ、と思い今日の記事を書こうと思い立ったのですが、本題に入る前に書いておきたいことがあるので今日は生物の学名について書いてみます。 *何とタイムリーなことに翆野 さんが鳥の和名について書いていらっしゃるのでこちらをぜひ読んでみて下さい。翆野 さんの記事ではとって

”白痴”と呼ばれていた自分

アメリカを出て、全く興味のなかった中国に引っ越したのは色々と疲れていたからでしょう。でなければ、それまでに溜まりに溜まった荷物を処分して、飼っていたチワワ2匹を前のボーイフレンドに泣く泣く預け、車を売って、出て行く理由はありませんでした。博士課程に進み2年経った頃でしたが、もう本を読むのも論文を書くのも、人と話すのも嫌で嫌で、今から思えばまさしくburn out (燃え尽き)だったのだと思います。環境を変えるのはその時の自分にとっては唯一の手段だと一杯一杯の頭で決断したのでし

こんにちわ と Grammar Police

こんにちわ、こんばんわ、の書き出しを見てそこで読むのをやめてしまうことが多々あります。 皆さんは気になりますか? 私は心の狭い読み手なんでしょうか。 私も日本語力が完璧だとはもちろん言えませんが、“こんにちわ”(自動変換でどうしても わ が は に変わり、5、6回タイプし直しました)には、この文章はもう読みたくないな・読まなくてもいいな、と思わせる魔法がかかっているようです。 素晴らしい内容が続くのかもしれないので、もういいや、とそこで読む意思を削がれるのはもったいないこと

楽しく学ぶ:私とあなたに大切な3密 その3

楽しく学ぶの大切な3密、その1は人間としての距離の密でした(クリックで飛びます) その2は コミュニケーションとフィードバックの密 でした(クリックで飛びます) 3つ目の密は 蜜 です。 楽しく学ぶのに大切なのは途中と最後の段階で必ず甘い蜜を見つけることです。 蜜は、そこまで辿り着いてよかった〜、もしくはここからまた進めるよ〜と元気がでるものがいいです! 学ぶことに終わりはありませんが、もし何か大きな目標に向かって学んでいるのなら、もしくはそれが長い道のりだとわかっ

I love you と言われること

ここに来てから生徒から I love you! と言われることが多くなりました。 うちが小さい自由な校風の私立学校だからかもしれませんが、アメリカの高校生は(留学生も含め)思っていたよりも大人で、子供で、真面目で、可愛い。 そして愛情表現が豊かで、こちらがびっくりすることをします。 握手やハイタッチはもちろん、ハグをしたり、肩に手を回したり、まるで親や友達の様に先生にも愛情表現をします。私は公立高校で教えた経験はないので他所では一体どうなのか見当もつきませんが、州立大学で教

楽しく学ぶ:あなたと私に大切な3密 その2

その1は人間としての距離の密でした(クリックでその1に飛びます)。 その2はコミュニケーションの密! 当たり前のようですが何かと理由をつけてやらないことも多いですよね。 家族だから、一緒にいるから、長年の経験で、言わなくてもわかるから、別に大したことじゃないから。 私が学校でまず率先しているのは課題やテスト、プロジェクトなどの途中経過や採点後に細かなフィードバックをすることです。プリントのすき間一杯(笑) *テストで80点を取ってもどうして80点なのかわからない。 *課

楽しく学ぶ:私とあなたに大切な3密 その1

教師になって早、23年!この間いろんな場所で様々な生徒を相手に先生という立場で学んできました。現在はアメリカの高校で教えていますが、それ以前は放浪教師として中国、ドイツ、スペイン、フィリピン、日本にアメリカ、自分を常に新しい場所におき新しい挑戦と好奇心を追いかける生活をしていました。教える教科も様々で、生徒の年齢・国籍・言語・文化も色々ですので ”教師”としての役割や義務、教え方や受け止められ方もそれぞれです。そんな中でも初年から私のモットーは 楽しく学ぶ でした。 だって