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ちいさいシマリス

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昭和の子供はこんなんでした。
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#昔の話

世界の始まり、海のある小さな町

宮崎県の青島 ここに住んだのは人生の最初の何年かだけだけど、自宅の周りの風景も学校までの道のりも、ピアノ教室やお寺の幼稚園までの風景もよく覚えている。 不思議なものでこの町を引っ越して、その後高校卒業まで暮らした海から遠い町のことはところどころしか思い出せない。 小さい頃に見たものや食べたもの、経験や感情などは”人生で初”のものだからだろうか、私の記憶の中の青島はとても鮮明だ。その後に似たような経験をしてもそれが何度目かであり繰り返したものであるので強い印象がないのだろ

叩く理由

私の両親はしつけをする時に叩いたりつねったりする事はなかった。その当時にすれば珍しい事だったのかもしれない。父ちゃんのゲンコツが飛んでくるとか、お母さんに頭をポカンとやられる、とかはよく聞く話だった。 小さい頃から私は割と良い子だったし、年の離れた弟もやんちゃだったけれど、悪い事はしなかった。母に話しを聞いても “シマも弟も2、3歳の頃にレストランに連れて行っても立ち上がったり騒いだりせず、お利口に座っていた”と言う。 そんな良い子だった私は、多分悪い事をして叩かれたのは一

幼い日の夢を叶えるお菓子

明日は遠足!お菓子はひとつだけ、2ドル以内!と言われたら持っていくものはこれです。ハリボーサワーキューブス! グミなのですが、ハリボーシリーズのように弾力はなく、求肥とゼリービーンズの中間のような食感です。昔おばあちゃんちにあったオブラートに包まれたゼリー菓子がちょっと固くなったような。 昔からグミが大好きで、どこか遠出をする時に、授業の合間に、帰りの車の中で、ぽいっと口に入れられるように必ずバッグに入っていました。 ここ何年も私のイチオシはクマでも、コーラでも、フルーツ(

鬼とじいちゃんと節分

じいちゃんは、お酒を飲んで気に入らないことがあれば、窓からコップやら小皿やらをパーっと投げ捨てる。そうなるとテレビを見ている私といとこのゆりちゃんは二人で奥の部屋に引っ込まないといけない。子供を怒鳴るわけでもないし、手をあげるわけでもないが、 “もう、こんげなん料理は食わん!” と大きく自己主張する老人は見ているだけで怖い。 ばあちゃんはその日のうちに壊れたコップやら皿を取りにはいかず、次の朝までそのままにしておく。じいちゃんが朝起きて、昨夜と同じ場所に座ってお茶を飲む時に

自分6歳:盗んだお金から何を学んだか

自分が持つお金のことをあまり考えない。というか、あまりお金に執着がないし興味もない。 ポケットにお金を入れたまま忘れるし、1年ほど使っていないハンドバッグから2万円の裸銭を発見することもある。 大きな大人になってからは、現金は必要分ギリギリしか持たず、カードは万一の時にしか出さないようになっている。何かをローンで買うことはない。ありがたいことに夫はやりくりが上手で細かに家計簿をつけ、老後の貯蓄も年金の計算も嬉々としてやってくれるので全部まかせている。 そんなお金に執着ない