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脚の写真、スイスへ行く

7~8年前スイスの女性から脚の写真を購入したいとメールが来たことがあった。英語が出来ないので、どう返事をしていいかわからずI can’t speak englishと返事したままで終わった。その後しばらくして彼女に写真を購入してきて欲しいと頼まれた外人男性が突然事務所に来た。この時はちゃんとしたプリントが手元になかったので、和紙に出力したA4サイズのテストプリントを居酒屋1回分の料金で数枚渡した。先日、今度は彼女の夫の会社の仕事をしている日本人女性から彼女の代理でメールが届いた。彼女が日本に行くので写真を購入するにはどうしたらいいかという問い合わせだった。余程僕の脚の写真を気に入ってくれたのか、うれしい限りではあるが、「今は事務所がないから自宅まで来ていただくしかありません」と返事をしたが、脚のプリントはクローゼットの奥深くに眠っていて、ひっぱり出すのにひと苦労した。そして彼女は一体どんな人間なのかもちょっと気になり始めた。

今週、メールをくれた女性と共に雨の中を電車で来てくれた。話を聞くと、フランスで出版された日本のエロティックアートを紹介した書籍に掲載された僕の写真を見て気に入ったらしかった。彼女は写真のコレクターではなく、自分が好きな写真を自宅に飾りたいということだった。実際に会ってみたら彼女の写真に対する純粋な気持ちが伝わってきた。通訳をしてくれた女性も、とても感じが良くてうまくコミュニケーションがとれていい時間を過ごせた。

僕の脚の写真はエロティックではあるが、どちらかと言えば地味な方だ。しかし彼女にとってはそれが日本らしくていいと言う。数少ない僕の写真の良き理解者である。長い時間がかかったが、昨日梱包してやっと彼女に写真を手渡すことが出来た。アップした写真は彼女が購入した「わ美さ美」シリーズの3枚。この写真は遠く離れたスイスの彼女の自宅に飾られることになる。たった一人でも写真を気に入ってくれて、自分のお金で買ってくれるのは何よりもうれしい。

今回彼女が購入した「わ美さ美」シリーズの3枚


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