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自分で考える力を削ぐ子供への公共圧力

これからの自分の仕事やキャリアに活かそうと、都市経営プロフェッショナルスクールというのに通うことにした。

今、日本は、地方都市の自治体経営や都市・地域経営を真面目に考えないと、将来の持続性について結構やばいのではないかという危機感があり、子供たちに胸を張れる未来の社会へとバトンタッチするのは自分の親としての責任でもあるよな、とか子供が生まれてから考えるようにもなった。

ということで、その都市経営プロスクールに入学したのだけど、早速バリバリと課題をこなさなければならない。全国各地で墓標のように作られて来た採算の取れない再開発事業などの事例を学んで、自分の住んでいるまちの総合計画や公共施設マネジメント計画を読んで、その内容と成果について自分なりの考えを書けというレポート課題が出たので、早速僕が住んでいる豊島区の公共施設等総合管理計画を読んで見た。

内容はというと、まあ本当にどうでもいいことしか書いていない。

豊島区内の公共不動産の土地利用状況を面積的にみると特別区道の割合が約67パーセントとなっていて豊島区の公共不動産資産の半数以上が交通インフラ、また施設面積的には学校施設が40%、子育て支援施設5%、保険福祉施設3パーセントで、教育福祉関連施設で約半数の面積規模になっている。老朽化については25パーセントの施設が築50年以上、55パーセントの施設が地区30年以上で、他の自治体と同様施設更新期を迎えている。

着目したいのが二つの将来人口予測で社人研推計によると2060年に27万人、目指すべき人口パタンとして2060年に30万人維持が目標として示されているが、財政状況は平成20年度から扶助費の上昇が始まっているのに加え、平成26年度に投資的経費が例年の3倍の300億円となっている。おそらく新庁舎建設の影響。施設更新費推計は過去10年間と比較して約8億円の支出増、インフラ更新費推計は約5.5億円の支出増の見込み。また過去経費と将来経費の差額は年額15.6億円で30年間で468億円の支出増が見込まれているが公共施設の床面積を1%削減した場合年間1.35億円の削減試算が示されている。第4章は施設ごとの今後の運営や削減の方向性が示されているのみで具体的なビジョンはない。

計画は将来人口予測や区の財政状況予測に基づいた公共施設のポートフォリオ経営戦略には程遠い。これは豊島区に限らず、どの基礎自治体にも言えることだと思う。特に東京23区は、区民への公共サービスは民間ビジネスでほぼ代替可能であるにも関わらず地方都市と同じような公共施設維持を行わなければならないと考えている点でそもそも創造的ではない。

で、僕がこの資料を読んで、もっとも強い違和感と嫌悪感を感じたのが巻末資料に収録された区民アンケートである。

いかがだろうか。そもそもこの設問に答えるだけの区の財政状況や人口予測や日本国内の自治体経営が抱えている問題や解くべき課題についての正確なファクトを中学生に情報として与えたかどうかがかなり怪しい。その上で、設問の文章のおかしさもさることながら、用意された選択肢。これを悪意なくやっているのだとしたらこれを実施した大人は相当頭がおかしい。「周りの区と同じくらいの数を保つべきである」という選択肢を用意するあたりが、子供に対して横並びを選択させることをアリなのだとうことで、完璧に思考停止を助長するし、増やしていくべきというのを将来に負荷を受ける子供たちが選択するのも僕からするとクレイジー極まりない。

自分の頭で考えないで、人と同じことを選んでおけば良いよっていう行動を促す教育を行うことに非常に強い憤りを覚えるとともに、そもそも公共教育施設の必要性以前に公教育そのものの必要性が疑わしいと思った。


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アーキテクト らいおん建築事務所/神田川ベーカリー/セミコロン/北九州家守舎/タンガテーブル/The CAVE/空き家カンパニー

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