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大人は皆忙しい。4回以上の婚活デートは時間の無駄。

前回までのお話はこちら。

メールボックスに溜まったご新規男性からのメッセージを、私は2時間かけてさばいた。男性のプロフィールへ飛び、「アリ」なら心を込めて返信、「保留」なら無難な返信を出した。

いくら初メッセージから「ナシ」と思っても、私は極力返事を出すよう心がけた。
メッセージを寄こすということは、相手の男性にとって私は「アリ」ということだ。たとえ数打ちゃ当たるコピペメッセだとしても、「ナシ」な女性にまでメッセージを送るはずがない。

袖擦り合うも他生の縁。そもそも目的の半分は潜入取材である以上「関わるのは人生の無駄」レベルのクズ(失礼)やゲス(重ね重ね失礼)であろうと、執筆的には格好のネタだ。仕事となれば菩薩にもなれるのが、作家という生き物である。

デート確率:およそ2割、メッセージ往復回数:10通前後。

この数字は、私が婚活サイトでマッチングした相手とデートに至った確率、および相手とのメッセージ往復に費やした平均回数である。
実施期間は13ヵ月。しかし前半は誰とも会わないように仕向けてしまったため、正確とはいえない。会う前提で活動していた後半の半年だけなら、デート確率は3割を超える。

ちなみにデート確率の母数は100名以上、うち実際に会ったのは23名だ(今の旦那は22人目だった)。

旦那との初デートの翌日、私は「この人とつき合いたいかも」という、ほんのりした恋心が芽生えたのを自覚した。
これまでも数名「いいな」と思った人はいた。デートを重ねた人もいたが、旦那以外の男性に対しては「頭」で思うだけで「心」は動かされなかった。

婚活は恋活とは違う。心が動くまで進まずにいたら、クロージングは難しい。暫定というと語弊があるかもしれないが、ある程度好感が持てるなら暫定「アリ」としてデートを重ね「お互いを知る」努力をしたほうがいい。
1年間の婚活で、心が揺さぶられる相手と出会い結婚できた私は、単に日頃の行いがよかっただけだ(冗談)。

大人はそうそう一目惚れなんかしない。だがお互い交際〜結婚を欲する男女が「デートしたい(してもいい)」レベルの相手と会うならば、初回はお友達路線だとしても、そのうち「異性を意識する」場面が訪れる。

あくまで私基準ではあるが、3回デートしてもドキドキしたり「男(自身が男性ならば女)な部分」を感じない相手とは、永遠にお友達だ。

キスどころか手すら繋がないのは、もはや「貴様と俺」な関係である。しかし、薄々気づいていても友達としては気が合うから、なかなかフェイドアウトできない。

私が色気に欠けるせいか、出会った男性と「飲み友達」化するパターンは昔から多い。あるいはその場は盛り上がっても、無意識に「客と同伴するキャバ嬢」モードで接してしまい、相手を萎えさせた可能性もある(酔っぱらうと、うっかりやってしまいがち)。

婚活の場合、未来のない相手とのデート(飲み会)を何度もするより、可能性を秘めたご新規とのデートにお金と時間を費やすほうが、ずっと有意義なはずだ。
私自身、当時は通勤のエンジニア仕事と物書きの二足のわらじを履いていたため、時間的にも体力的にもデートは週2回が上限だった。

そんなわけで、男女的進展が臨めない雰囲気の相手とは「デート3回まで」でフェイドアウトし、並行してご新規な相手とも積極的にデートをしていた。

婚活デートは「初回のみジ・エンド」がほとんど

もちろん誰ともお友達な展開になってしまったわけではない。大半は初回のみ、「次回は……」との社交辞令メッセで終わっていた。むしろそっちが婚活としては王道のパターンだ。

いくら私の方が次回を期待しても、相手が「コイツと男女な関係になるのは、ちと無理だわ」「友達や恋人ならいいけど、嫁にするのは考えられないな」と思ったなら即終了となるのが婚活というものだ。逆も然り。

初回で終わったからと、落ち込む必要はない。いっそのこと「いろんな男性とデートできる」婚活ならではのフワフワした時間を、めいいっぱい堪能したほうがいい。一生のうち、これほど短期間で多くの異性(しかも結婚相手となる可能性を秘めている)と出会う機会は、そうそうないのだから。

そんな中、3回もデートし、手も繋ぎキスもされた(あくまで受け身)のに、そこから男女の関係へと進展せず終わった相手がいた。

それは相手が「○○者」だったからだ。

(つづく)

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