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第三章 人間の顔とは何か?-006

人間という動物社会

他の動物はあごで直接捕食することによって、
食べて生きるための生活(自給自足の生活)を送っています。
やがて成長発育し成熟したら生殖をして、
次世代に優秀なゲノム情報を渡すことを連綿と行なっています。

これに対し、人間という動物は他の動物に比べると、
極めて面倒くさいプロセスを通過しなければ
食べて生きることができない仕組みを作っているのです。

人間の食べて生きるステップを、
具体的にご紹介していきたいと思います。


私たちは成長発育して成熟した後、
一般社会へと飛びこむために就職活動を始めます。

なぜか?と申せば、
貨幣経済の中の分業制に入り込み、お金を稼ぐことによって、
食べて生きるためです。

このプロセスは、自給自足をする他の動物が
親離れをする過程と似ています。

ただ何が違うのか?と申せば、
人間という動物は、自分で獲物を獲得する能力(自給自足の能力)を
親から判断を受けるのではなく、学校を通して培った能力
(社会適応の能力)を社会から認めてもらうのです。

就職活動とは、学歴に見合った脳内環境を持っているのか?
を、会社の人事により評価されるプロセスなのです。
いわば各人が貨幣経済の仕組みに組み込まれるための、
登竜門といえましょう。

この後、就職活動を通過すると、
結婚相手(繁殖相手)とコミュニケーションを獲得する権利を得ることができるようになります。(実に厳しい)

これ以降、結婚相手となる双方は何度もデートという
面接を繰り返すことによって、よりタフな精査を行い始めます。

なぜか?と申せば、
一緒に次世代を育て上げることができるのか?
一生に渡り寄り添い合える相手となりえるのか?
など、互いに持続可能な自給自足と社会適応の脳の両方の能力を
どれほど持ち合わせているか?
について、詳しい調査研究をするためです。
(人間は未来を予測する動物ではないのですが)

やがて、結婚という儀式をクリアーできるであろう能力を
双方で確信した後、その許しを両方の両親から得るために、
新たなる面接を受けることになります。

さて、アメリカ大統領のアブラハム・リンカーンは
このように述べています。

40歳になったら、自分の顔に責任を持ちなさい」と。(きびしい!)


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