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税務調査で狙われる!交際費・外注費・雑費の「注意点」と「対策」

はじめに

こんにちは、島田(@mshimada_tax)です。

実は、毎年夏にかけて税務調査の件数は増えると言われています。

そこで、今回は税務調査で指摘されやすい勘定科目についての解説していきます。

それぞれの勘定科目について「チェックされやすい理由」「重点チェックポイント」「対策」を記載していくので、実際に経理をする際に見返してもらえればより有効活用できるかと。

例によって、動画でサクッと学びたい方はこちらからチェックしていただければと思います。


要注意の勘定科目3選

① 交際費

◆チェックされやすい理由:

交際費は、業務上の取引先との飲食や接待などの支出に該当すれば経費になります。

ただ、その性質上、個人的な支出が混ざりやすいため、税務調査で重点的にチェックされるので注意が必要です。

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◆重点チェックポイント:

  • 一人での外食代:食事をたまたま外食で済ませただけだと、生活との区分が不明確のため交際費としては認められにくいです。

  • 家族との食事代: 家族役員や専従者がいても、業務に関連する話し合いなどがあったことが事実として証明できなければ、経費計上が認められない可能性が高いです。

  • 友達との飲み会: 業務とは無関係な人物との会食は、交際費として認められにくいです。

◆対策:

  • 業務関連性の確認: 交際費として処理する前に、その支出が本当に業務に関連しているかを確認することが重要です。
    「とりあえず交際費にしておいて後で精査しよう」は、後になれば当日の記憶は薄れているので的確な判断をすることは難しくなってしまいます。

  • 証拠書類の準備: 接待の相手先や目的を記載したメモやレシートを保存することで、正当性を証明できるようにしましょう。
    会計ソフトで仕訳の備考欄に記載するのも有効です。

  • 調査官の心象への影響:交際費で議論の余地がある処理が多数見つかると、「他にもいい加減な処理をしていないか」と疑いたくなるものです。
    税務調査が長引く可能性があることは心得ておく必要があります。

② 外注費

◆チェックされやすい理由:

外注費は架空の金額が計上され、経費の水増しが行われやすい勘定科目です。

そのため、税務調査では綿密にチェックされます。

◆重点チェックポイント:

  • 架空の外注費: 実際には行われていない業務に対して経費処理されている場合があります。
    自社ではなく相手(売上側)の税務調査から発覚することもある点に要注意です。

  • 現金支払い: 現金での支払いは証拠が残りにくいため、税務調査では特に怪しまれます。

◆対策:

  • 詳細な記録の保持: 現金払いであっても、出金伝票に業務内容や支払い先を詳細に記載し、相手先から領収書をもらうようにしましょう。

  • 契約書の保存: 外注の実態を証明するために、外注先との契約書や業務内容の詳細を記載した書類を保存しておくことが重要です。

③ 雑費

◆チェックされやすい理由:

雑費は、その名称から具体的な経費の内容を判断しにくい支出が多く、税務調査で個人的な生活費が混ざっていないかチェックされやすい勘定科目です。

◆重点チェックポイント:

  • 経理処理の曖昧さ: 適切な勘定科目を探すのが面倒な場合に、雑費勘定に一括して計上されることが多いため、不正が疑われることがあります。

◆対策:

  • 適切な勘定科目の使用: 雑費以外の適切な勘定科目を使い分けることで、雑費の中に不適切な支出が含まれないようにしましょう。

  • 詳細な記録の保持: 雑費として計上する前に、その支出の内容を詳細に記録し、可能であれば証拠書類を保存しておきましょう。

まとめ

税務調査で指摘されやすい勘定科目として、個人的な支出が混ざりやすい交際費、不正が行われやすい外注費、そして内容の判断が難しい雑費、の3つを紹介しました。

これらの勘定科目については、普段から業務関連性を確認し、詳細な記録を保管・管理することで、税務調査時に不必要な指摘を受けないよう注意することをお勧めします。

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