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044.「天然生活」最新号に金井美恵子さん

「天然生活」は、マガジンハウスの「クウネル」と並んで、「丁寧な暮らし」とか「癒し」とかの流行りを作った雑誌。タイトルは刺繍作家の大塚あや子先生の刺繍なんですよね。創刊当時は山と渓谷社系列の地球丸という出版社から刊行されていました。「クウネル」は路線変更(一度休刊しましたっけ?)しましたが、こちらは出版社が倒産ののち扶桑社に移行して未だ出版されていて、私は新刊が出ると楽天マガジンで拝読しています。

読者も年を取ったのか、昔に比べて鄙びた内容というか、「暮しの手帖」に突入しそうな雰囲気も醸し出している。一度「生活保護の受け方」みたいな記事が載っていて、ああ、高齢女性は不安を抱えているもんな、私もこの記事を読んで、「もうホントにダメだ!」という時には頼る先がある、と少し安心したものでした。

「天然生活」の一番の楽しみだったのが金井美恵子さんの巻末のエッセイ。辛口エッセイでとても面白く、どんな意地悪ばあさんが書いているのかとwikiで調べて作家さんと知り、図書館で小説やエッセイ集を借りて読んだりしてました。学生の頃から読書好きを標榜していたのに、なぜ存在を知らなかったのか、文芸雑誌は全然読まなかったからか、時代が微妙にずれてたからか。
それがいつの間にか掲載がなくなって(いつ最終回だったんだろう?)寂しく思って、他に連載などないのかとネットを探してみるも、その時は目ぼしい情報はなく、ご高齢で引退されたのかな、私より20歳年上だもんな、などと思っていました。
そしたら、「天然生活」最新号(2024年6月号)に画家のお姉さんと共に「左手に気をつけろ」と言う映画のプロデューサーを務めたと言う5ページの記事が載っていました!

インタビューの中に「エッセイの連載があり、文庫も出ることになっていたので…」と見つけて、さらにうれしくなりました。

映画も面白そうです。

ちなみに、姉上様は金井久美子さん。糸や布、ボタンやリボンなど服飾系の素材を使ったコラージュ作品の印象が強く、女性的(?)な作品のイメージを持ってて、美恵子さんの文章とコラボすると、女の可愛さと怖さ・意地悪さ、苦味・辛味を感じて、えも言われぬ気持ちになります。

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