心理学から見る、人を信じることの合理的な理由
〈3分で読める記事です〉
みなさんこんにちは。大島佑介です。
今回は人を信じることの価値を心理学の観点からお伝えします。
人を信じることの価値は多くの方が耳にしたことがあるはずです。古今東西のフィクションでも実話でも伝え続けられています。
信じることの価値は、主観的・帰納的に語られることが多いです。主観はその人の体験に基づくものや根拠がないものもあります。
帰納的に語られる例として「AさんもBさんもCさんも人を信じることに価値があると言っている。だから自分も人を信じることに価値があると考える」といったところでしょうか。
今回は心理学の知見で相手を疑うことのデメリットを説明することで、逆説的に人を信じることの価値を客観的・演繹的に伝えます。
なお、「信じる」という心の営みをテーマにするので、主観などを完全に排除することは難しいです。あくまでも客観的な根拠のひとつとして頂ければと思います。
大学の時に勉強した本を引用するつもりでしたが、すでに処分していました。卒論の引用文献に載せていたはずなので、情報元を載せるのは卒論を確認してからです。伝えたい箇所は覚えているので書き続けます。
嘘を見破れるかどうかを調べた実験があります。実験の参加者は「嘘を見破るテクニック」を知っています。テクニックは巷で言われる視線の動きや手の動きなどです。
参加者が人の話の真偽を判断すると、嘘を吐いている人を見つけられる確率は半分を少し超える程度でした。真偽は50:50なのでテクニックによってほんの少しだけ嘘を見破れたことになります。
特筆すべきは、本当のことを話している人に対しても嘘だと判断してしまうことが増えたことです。テクニックを知っていることで「自分は嘘を見破ることができる」という過信が要因になったと考えられます。
ここまでのポイントは2点です。
①ほとんどの嘘は見破れない。
②嘘を見破れると思えば思うほど、真実に対して嘘だと断定しやすくなる。
②について踏み込んだ考察をすると、真実を話している人を嘘つき扱いすることで傷つけてしまう可能性やそれ以降真実を話されなくなることが考えられます。
そうすると、その人との関係性が崩れたり、その人からの新たな情報は減ったりするかもしれません。
①②を踏まえると相手が嘘をついているかどうか疑うことはデメリットが大きいと感じませんか?
疑うことのデメリットを考えれば疑わないことが望ましいはずです。逆説的に、信じることの価値はここにあります。
もちろん信じても裏切られることもあるはずです。そのときは自分が傷つくことになるでしょう。
結局は、真実を嘘だと疑ってしまうリスクと信じて裏切られるリスクのどちらを選ぶかという選択を迫られます。どちらを選択するかは客観的な基準ではなく価値観や美学によります。私は疑うことで人を傷つけるリスクよりも、信じて自分が傷つくリスクの方が好みなのでそうします。
主観で信じられるのはその人自身が信じる経験をしてきたからだと思います。経験があれば別のタイミングで信じるハードルは低いです。
信じる経験をしてこなかった人がハードルを越えるときの手助けとして心理学の観点を思い出してください。
株式会社task
大島佑介
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