こくはぴゅ

20数年間生きてて初めて告白した日のお話。

みんなのトキメキって何だろう。
期待や喜びで胸が踊る事。それはドキドキ継続的なものよりドキッとする力強い一瞬の感情のようなイメージがある。

人によって色んなトキメキがあると思うけど、私はここ数年トキメキを感じる事がなかった。強いて言うなら美味しいご飯を食べた時とか推しのアイドルにレスもらった時はトキメキを感じた。恋愛に関してのトキメキはほぼ無し。学生の頃はときめきメモリアルを一晩中プレイして、朝までウヒョウヒョしながらトキメキを得る事ができてたのに。

恋愛に関するトキメキを求めて色んな事に手を出した。自分が知らない自分の本質や性癖を見つける事でトキメキを手早く得る事ができると思ったから。
だけど何も得られなかった、たくさんの人を傷つけたし、いっぱい悲しかった。ここまでしてトキメキを得る事ができないなんて、もうこの世界のどこにもトキメキはないんだって絶望して一晩泣いた。

ときめく感情なんて必要ないと諦めてた頃に、好きな人ができた。毎日が新しくて今まで感じた事ない感情が不思議で嬉しくて楽しくて心が踊って、あれ?これって、もしかして:トキメキ

告白の前夜、言いたい事をできるだけ「シンプルに短く」を意識して紙に書いた。それを声に出して音読した。想像を膨らませて3時間練習した。何やってるんだろう私。もしかして:可愛い

告白本番はダメダメだった。緊張しすぎてやっぱり告白は今度にしようとか思ったし、言いたい事が言えない自分にイライラした。言いたい事って何?って好きな人に何度も背中を押してもらってやっと言うことが出来た。情けない。あとは、昨晩練習した通りに言うだけ。

「今から口説くから聞いて!」って自信満々に宣言した途端、心臓がドンドンドン。太鼓の達人のフルコンボ状態。マスクを外されて目が合わせられない、息が上手く吸えない。病気だ。

わたし「 ~ハァ… あの ! えーっ と その … あの … ネ?! 好きだよ !! 、デ、でね それで わたし の ネ!? Wooo~~ 」

あの、その、それで。を繰り返すオウムとなった。恥ずかしい、恥ずかしい。恥ずかしくて死にそう。
恥ずかしいという感情も久々な気がする。恥ずかしがるフリをするだけで本気で恥ずかしいと思う事なんて滅多にないから新鮮だった。
あんなに告白の練習したのに全然うまく言えなかった。言ったらどんな顔するのかな、困らせてしまうだろうか。好きな人の目の前では無力。悔しい、穴があったら入りたい。

テンパる私を抱き寄せて、うん、うん。と、ちゃんと最後まで聞いていてくれた。私が言い終わるまで待っててくれたのが優しくて嬉しくて愛おしかった。きっともう私が何を言いたいのかわかってる。私も今どんな顔してるのかなって不安になりつつも返ってくる言葉がわかる気がする。それでも、恋人になって欲しいと言うのには時間がかかった。あー。すっげー心臓の音。…俺のだよ。

自分でもびっくりだ。こんなに乙女だったのかわたしは。もっと大人になろうな?

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