Another World(マギレコ第2部)

 ネオマギウスとの会合を終えて

 ネオマギウスの実質的指導者 藍家ひめな との会合を終えた静香は彼女の危険性とそれ故の相容れなさに気付く。一触即発の事態となりかけるも、キュゥべぇたちの仲裁により事なきを得る。ひとまず相互不可侵の協定を結びその場は収まった。その直後の会話

「あちらの久兵衛様たちは何故あのような者たちと行動を共になさるのでしょうか?」

「僕たちはインキュベーターだ。魔法少女と共にある存在。ならば、魔法少女に付き従うのは当然の事さ」

「それがどんな危険な思想でも?」

「人類そのものを滅亡させたり、僕たちに危害を加えかねない物を除き、僕たちインキュベーターは人種・民族・宗教・イデオロギーを問わず魔法少女に味方する。この村での反乱で君たち側についたのもそのためさ」

「何だか、〈主体性〉が無いみたいです」

「実質、あるようで無い。歴史を動かしどのように作るか、その舵取りは人間の仕事だよ。僕たちはただその流れに身を任せながら使命を果たすのみさ」

「.......」

「特に、魔法少女が歴史を動かしてきた事実は枚挙にいとまが無い。それは伝承や歴史の事実として現代にも伝わってるしね」

「ただ、少し僕の考えを述べさせてもらうなら彼女ら(ネオマギウス)のいう魔法少女至上主義というのは事実に沿わないと思う。魔法少女は〈進化した新しい人間〉というが、そんなものは旧マギウスが唱えた単なる方便だ。実際、魔法少女が進化した人間だなんて言えるかい?君たち巫にしたって昔からいたし、人類全体の歴史からすれば、公になってないだけで新しいものでも何でもない。そもそも、常に集団で武器を手に得物を狩り、その狩場を巡って同族同士で争うんだよ?そんなものが進化した人間かな?むしろ文明として退化した存在だ。大人がやる〈戦争〉だって、政治的な目的の達成のために行われる分まだましだね」

「!」

「いいかい、静香。君たちが何を目指して戦うかは君たち次第だ。君たちがもし僕らを諸悪の根源と捉えて戦いを挑むならそれ相応の対応をさせてもらうが、もし僕らを利用するなら最後まで付き合おう。未来を創るのは君たち人間だ」

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