〈下書き〉

プロローグ

 人語を操る謎の小動物〈キュゥべぇ〉。彼ら”They”は10代の少女たちの願いをかなえる代わりに〈魔法〉の力を与え、〈魔法少女〉となり人類の敵、呪いの権現〈魔女〉と戦う契約を結ぶことを使命としていた。

 

(本編)


第一話


 その時、手前の2本の柱のから2つの人影が半身を乗り出してきた。それが、目に映った瞬間に何なのか理解することは出来たが反応するのがコンマ数秒遅れた。何せ、今までの彼らでは考えられない行動だったからだ。

 半身を乗り出してきたのは2体のインキュベーターだった。
体格は先ほど見つけた個体より大きく(背が高い)、

服装もさっき見たのとは異なる(ほむら から見て右の奴はジーンズ、左はOD職のカーゴパンツ、靴は二人ともスニーカーで上半身はグレーのパーカージャケットその上にプレートキャリアを着ていた)し、顔も黒いホッケーマスクの様な物で(後でわかったが台湾製のケブラー製フェイスガードマスクだった)覆っていたが顔の左右から見える白いケモ耳とそこから生えた羽を思わせる触手。そしてマスクの目元から覗くルビーのような赤い双眸からすぐにインキュベーターの別個体だと分かった。

しかし、ほむら を凍り付かせたのは二人のインキュベーターがこちらに向けていた物だ。
 アブマット・カラシニコフ(A K)型自動小銃。旧ソ連で開発され映画などでおなじみのアサルトライフル。世界中の紛争地帯で目撃され正規軍からゲリラ・テロリストまで幅広いユーザーを持つベストセラーだ。

 ほむら の盾の中にも暴力団事務所のロッカーから拝借した物が入っている。もっとも、それにはハングルの刻印が入っていたので北朝鮮がコピーしたものだったが。

 故に今思えばインキュベーターが持っているのもおそらくコピーだと考えられた。もっとも、肝心の ほむら には、そのようなマニアックな考察をしている余裕などなかったわけだが。

 彼女が〈ヒト〉の姿を手に入れたキュゥべえに対する認識が甘かったと。

原作アニメ第2話


「今回は見学者が2人にイレギュラーが付くということで応援を頼んでおいたよ」
さやか
「応援?」
ほむら は少し考え、そしてもうれつに嫌な予感がした。
ふと、自動車のエンジンの音。
キュゥべぇが音のする方向を見た。
|来たね|
皆もそちらを向く。道路を一台のバンがこちらに向かって走ってきた。
まどか が が呟く。
「誰なんだろう?」

マミ
「もしかして…..」

第X話「魔法少女の仕組み」

『私のせいで誰かが死ぬ、そんなの嫌』
キュゥべぇはわざとらしくため息をついた。
『君とは全く関係のない赤の他人じゃないか。どうして君たち人間は特定の個体の生き死にについて、そこまで気にするんだい?』
 
「そんなの、当り前じゃない!」
『いや、当たり前の話ではない。僕たちは長い時の中で人間を見てきたが、人間は他人の不幸に対していくらでも鈍感になれるし、残忍になれる。君たちもたまに話題にするよね、この惑星上で経済水準が極めて低い地域で飢餓で死んでいく人々がいることを。しかし、君たちは気にも留めようとしない。かと思えば見ず知らずの他人や顔も知らない誰かの心配を始めるんだから….。理解に苦しむね』
さやか=言い返せず。
彼女の沈黙を見て取り、キュゥべぇは続けた。
『まあ、分からなくもない。想像するに、君たち人間という個別に独立した意識を持つ生命体が社会を構成する上で手にした一種の目に見えない《器官》のようなものなのだろうね。友情や絆といった概念を根拠に他者を助けるのは種の存続のためだ。だが、他者に憎悪を抱くのは食料の不足などの問題際して個体数を調整するためだろうね。しかし、非効率極まりない』
さやか=顔を苦し気にゆがめながら。
「何が…..言いたいのよ」
キュゥべぇは手を離した、苦し気に膝をついて咳するさやか。
『気にするなということさ。人間なんて四秒に1人は増えているし、その一方で君たちより幼い子供が3秒に一人は死んでいるんだ。君が顔も知らない第三者を心配する必要はどこにもない』
さやか
「そう…わかったわ」
キュゥべぇ
『分かってくれたかい?』
さやか
「アンタたちが私たち人間の敵だっていうことがね!」


(さやか、再契約直後)


杏子
「にしてもお前、どうして前と同じ魔法少女に戻してもらうだけにしたんだよ?」

さやか
「え?」

杏子
「だってさー何ならもう一度願いが叶えられるんだぜ?だったらあの坊やがアンタのことを好きになってくれるように願ってもよかったじゃねーか」

さやか
「ダメだよ...そんなの...」

杏子
「ダメなことねーよ!あんたにはそれぐらいのご褒美があったっていいはずさ!」

さやか
「だって、そんなことしたら自分への裏切りだ。私はあくまで京介に笑って欲しかった京介のバイオリンをもう一度聞きたかった。ただそれだけのためだったんだ。そんな自分を裏切ることなんかしたくない」

杏子は
「そっか...悪かった...」

さやか
「なんてねっ!本当は咄嗟のことで考える暇もなかった」

あすなろ編


テレパシー
『さらばだ、カンナ。君はよく役に立ってくれた。おかげで、プレイアデスの計画を失敗に追い込んだ。
ありがとう、本当にありがとう。
君は有望な魔法少女だが惜しむらくは君が人類の絶滅を目指したことだった。人類の個体数を考えれば、一人や二人もしくは100人や200人程度、大した数ではない。君にそれほどの力があるとは思えないが、放置しておくわけには行かない。人間にはまだまだ存在してもらわないと。
だから、君にはここで死んでもらいたいんだ。
じゃあね、カンナ。
落ち行くカンナの姿が、QBたちのルビーのような無機質で透き通った。ような赤い瞳に映る。彼女は追いすがるように手を伸ばしていた。
 その表情は先ほどまでの憤怒ではなく寂しさと絶望に満ちていた。

マギレコ第1部

対ワルプルギス(仮題)


いろは
「キュゥべぇ!?助けてくれるの?」
『もちろんさ』

やちよ――いぶかしんだ様子で
「一体どういう風の吹き回しかしら?」
『決まっているじゃないか。目の前で家畜”羊”がむざむざ死ぬのを黙って見ている牧童が居るかい?』


マギレコ第2部

結菜の演説


インキュベーターに、そして魔女に大切なものを奪われたのは私たちだけじゃない。まだ仲間は居る。
この二木市に、日本中に、否っ、世界中に私たち”Promised Blood”の仲間は潜んでいる。
インキュベーターは高度に論理的で効率的な戦いを得意とし、容赦がない。でも、それ故に人間の突発的な行動や予想外の事態には対処できないという弱点がある。奴らは決して無敵ではないわ。
とにかく、真実を知り、インキュベーターによる人類への支配に立ち向かい戦うことを選んだなら生き延びて。
貴方たちは未来にとって重要な存在よ、貴方たちはそれを、まだ分かっていない。
インキュベーターはますます強力な武装を整えている、私は見た。彼らは私たち反抗する魔法少女を抹殺するために世界中から武器をかき集め軍隊を組織している。
インキュベーターは大規模な殲滅戦を計画している。でも、私たち”Promised Blood”はより大規模かつ大胆な作戦を計画しているわぁっ。
今こそ生死を決するのよぉ!
私は紅晴結菜。
今、この放送を聞いているあなたたち魔法少女も、私たち”Promised Blood”の一員よ!


インキュベーターと戦うレジスタンスとして活動するこの時間軸のプロミスド・ブラッドに合流した、マミを除く見滝原の魔法少女たち。
 確保したインキュベーターの拠点で、大量に積まれた大型コンテナを発見。開けてみることに。
 中身を見たほむらは絶句した。
 コンテナの中身――大量の武器、武器、武器。
 ほむら もよく使うイタリア・ベレッタ社のM92Fもあれば、米軍基地から盗んでいたAR-15の子孫たち――米国やヨーロッパ・アジア各国の銃器メーカーが作ったクローン。さらにはロシア製のRPG-7ロケット推進擲弾。その他にも見たこともない銃器や火器がぞろぞろ。対戦車ミサイルや年代物の対戦車無反動砲まであった。
 一緒にコンテナを開けたP.Bのメンバーも反応の仕方はそれぞれだが、驚いている様子だった。
「すっげーな……。みんなゲームでしか見たこと無いやつばっかりだ……」
こう言ったのはドラゴンをかたどった翼と尻尾のアクセサリーに長い髪、火炎放射器を武器にする樹里だ。
自己紹介でゲームをしていると言ってたけど、そういうゲームで遊んでいるのだろうか?確かに見た感じそういうのが好きそうではある。
これによく似ているのが、幹部でも年少のアオだった。
「スゴイ、AKだけじゃない。M4にG36……これはブッシュマスター?カイバー2000まである!」
「詳しいわね、あなた……」
ほむら、思わず半ば呆れつつも感心。
「いやぁ、ゲームで覚えて」
この娘もか……そういえばゲームセンターをたまり場にしてたな。
結菜
「よくこんなに集めてるわねぇ……」
ひかる
「どっからこんなに集めてきたんでしょうか?もしかして、自分で作ってるとか?」
「いや、それなないわねぇ、恐らく世界中から集めて来てるのよぉ。その方が効率的だわぁ」
「人間の作った武器で攻撃してくる宇宙人っすか……」
樹里
「ところでどうすんだよ、これ?」
結菜は自分の唇に指をあてながら思案した。
「そうねぇ……このまま放置して奪い返されるのもなんだし……匿名で警察を呼んで押収してもらうのも良いけど……」
ほむら に目を向けて。
「暁美さん。欲しいものがあるならあなたが回収してくれてもいいわぁ。要らない奴は残しておいて、警察に通報して、押収してもらいましょぉ」
 

魔法少女ストーリー

巴マミ

私が夜眠れない時、キュゥべぇはいつも私のベッドで一緒に寝てくれた。
その時、私はキュゥべぇに眠くなるまでお話を聞かせてくれるようにせがんだ。
彼はいつも昔話をしてくれた。
多くの魔法少女たちの戦い。ずっと昔から続くキュゥべぇと魔法少女たちの関係。


暁美ほむら


 キュゥべぇ(#QB擬人化-少年型、肉体年齢およそ14歳)と まどか が買って来たコーヒーを片手にベンチで談笑中。場所は人気のない街かどのどこか。
 突然冷たい銃口がキュゥべぇの後頭部に突き付けられる。


落ち着いているが、沸点寸前の心を無理やり冷却して抑えているのを隠さない様子でほむらが詰問した。
「何をしているのかしら?」

表情は変化しないが、目は明らかに殺意をはらんでいる。
『何って?まどか と話をしているだけだよ?』
キュゥべぇ=コーヒーの入った紙カップを口づけながら回答/絶体絶命とは思えない落ち着いた仕草。
「何のために?」
『親睦を深めるため』
「理由は?あなた達は何の目的も無く行動しない。すべての目的に意味があるはずよ」
『よくご存知で』
「御託は結構」

安積はぐむ


はぐむ
「私もキュゥべぇみたいに銃が撃てればいいのに...」
キュゥべぇ
「撃ちたいのかい?」
「へ?」
「銃が欲しいのかい?」
キュゥべぇはいつも通りの無表情で はぐむと目を合わせた。
「えっとぉ......」はぐむは返答に窮した。

本当は『私も銃が武器だったらよかったのになぁ』と言う意味を含んだぼやきだったのだが、無論キュゥべぇもテレパシーで表層思考を読み取るのでそれは理解していた。
「君の固有武器が自分にふさわしくないと思うなら後から別の武器を装備してみるのも選択肢の1つだよ」

はぐむ
「そんな事できるの?」
キュゥべぇ
「前例は少なくないね。中世フランスで活躍した魔法少女ジャンヌ・ダルクだって武器は後から手に入れたし、最近だって見滝原に現れた魔法少女は暴力団や自衛隊から盗んだ火器を使ってたよ」

とんでもない情報が出てきたが、後から入手した武器を別に使うことができると言う事はわかったので、敢えてスルーした。
「でも...どこで手に入れれば?」
暴力団の事務所を襲撃すればいいのだろうか?でもなんか怖いし。銃砲店や警察署に忍び込むと言うのもなんだかちょっと申し訳ない...。

はぐむが思案していると、キュゥべぇがズイっと、自分が手にしていたカラシニコフを差し出してきた。
「へ⁉︎」
「盗んだりする必要は無い。言ってくれれば僕たちのものを差し上げよう」


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