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勉強と心身の不調

勉強と心身の不調
 
自分を追い込み過ぎて心身に不調が生じることは、多くの受験生が経験することだと思います。私もそうでした。
 
咳や鼻水が続く、抜け毛、肌荒れ、食欲不振、蕁麻疹、腰痛、
ある授業に出席しようとすると涙が溢れる、論文を書こうとしても気が滅入って全く書けない、などなど
 
これらの反応は、深層心理が拒否することを強行した結果生じた心身の不調だと思います。深層心理が拒否することを強行した結果心身に不調が生じることは、心身の正常な反応だと思います。

深層心理はなぜその行為を拒否するのか?
それは、その行為が(少なくとも今は)合格に結びつかないということを深層心理が理解しているからでしょう。
 
深層心理は何を望んでいるのか?
まずは休息です。これまで散々に無理を強いたのですから、十分な睡眠と食事が回復のために必要です。
次いで、より合理的な勉強です。合格するために習得すべき能力は何か、それを習得するためにすべきことは何か、より広く遠い視野をもって冷静に根本から分析的に検討する必要があります。
学びは量より質です。量が意味を持つのは、ある程度の質を確保できた上でのことです。
 
例えば、憲法では、法令の違憲審査という他の科目とは異なる思考を学びます。それが何か、答案で何をどのように示すべきなのかを理解していないのに、ただ闇雲に文字を書き連ねる続けることは、合格にとって無益です。他の有益な学びを阻害する点で有害でもあります。
あなたの深層心理はその無益有害さに気づいているにも関わらず、あなたが有益だと思い込んでその行為を続けると、深層心理は癇癪を起し悲鳴を上げ、心身に不調を生じさせます。その不調を無視すると、不調はより深刻なものとなり、回復に時間を要します。
まずは1通、これが求められているものなのかと納得のいく論文答案を作成してください。拙いもので構いません。
 
嫌なことは、嫌だと感じなくなるまで、やりたいと思えるまで手を出さないという姿勢を基本とすべきと思います。嫌だと感じる理由は、まだその行為が有益となる段階に至っていないからだと思います。
そんなときは、その行為が有益となるために下支えとなる能力を身に着けるべきと思います。
 
例えば、私は論文を書くのが嫌でした。手書きは更に嫌でした。問題文と答案用紙を用意して机に向かっても、全くやる気がおきず何をしたらよいか分からず、ただ無為に時間が過ぎていきました。
嫌だと感じる原因を分析すると、文を思い浮かべることが出来ず、二義を許さない文章を書くことができず、何度も訂正を重ねてしまう、何をどのように検討したらよいか分からない、問題文の状況を適切に理解できないといった点がありました。
対策として、文章作成はwordを用いることで作成も訂正も容易にし、法律とは関係のない文について二義を許さない文を書く練習をし、目的との関係で必要かつ相当という思考回路を定着させる訓練をし、問題文の状況を図で理解することに努めました。
これらをある程度できるようになると、論文を手書きすることへの抵抗感は薄れ、楽しみになっていきました。
 
嫌なことはやりたくない、とはいえ先送りできないものもありました。
文字通り吐くほど嫌なことについて、自分の状況、症状、考えられる理由などを信頼できる人にメールし、対処できたことがありました。
言語化したことで、体中をうねるようなとらえどころのない苦しさが固定され、
送信したことで、その苦しい状態は私から離れていき、慰められ遠くで消えていきました。
 
メールを送った相手はそれを読んでその内容にダメージを負ってしまうので、送る先は具体的な人でない方が適切かもしれません。例えば、文書を埋めたり燃やしたりした方が良かったのかもしれません。当時はそこまで思い至りませんでした。
ただ、もし、具体的な人に送るなら、読まなくてよいことを簡単な事情説明と謝罪と感謝とともに伝えるべきと思います。
仮に読まれたとしたらそのまま受け止められ消えていくだろうことを疑いなく想像できたことは、それ自体大きな慰めとなりました。実際にもらった返信はとても暖かいものでした。
 
長くなりましたが、心身の不調が表れた際に大事なことは、
・嫌なことをやめる(できること、やりたいことに分解してやる)
・睡眠と食事を十分にとる
・合格に必要と思い込んでいないか、何が合格に必要かを冷静に考える
・状況を観察し言語化し自分から遠ざける
・なかなかできない経験なので楽しむ
といったことだと思います。

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