「志高く」バックナンバー⑤~ベースはコボちゃん~

こんにちは。志高塾です。

厳しい寒さが続いております。みなさま、あたたかくしてお過ごしください。

さて、今回お届けする「志高く」バックナンバー(内部向け)には、「コボちゃん作文」なる言葉が出てきます。
「コボちゃん作文」とは、4コマ漫画『コボちゃん』を用いて行う要約作文を指します。志高塾に通う生徒が、最初に取り組む教材です。

与えられた情報を的確に読み解く。それを分かりやすく自分の言葉にする。
基本が一番難しく、だから一番大切です。
『コボちゃん』をぱらぱらとめくっていると、そんな基本に立ちかえることができます。

2008年2月Vol.11 <ベースはコボちゃん>

「子供のころに、本を読んで感動したり、わくわくしたりした思い出は、一生消えることのないほど強烈なものである。子供は未知の世界に対して新鮮な好奇心を持ち、想像力が豊かであるため、本の世界のなかで生きることができるのだ。成長してさまざまな試練に出会ったときに、そのような経験が思わぬ力を発揮する場合がある。」
 
上の文章をコボちゃん作文と同じように、「一文を短く」、「つなぎ言葉を使う」、「言葉をそのまま使わずに自分の言葉に言い換える」などを意識して書き換えると次のようになります。
 
「読書を通して心を動かされたり、興奮したりした子供時代の記憶は、鮮やかなまま刻みつけられています。だから、生涯忘れることはありません。子供は、本の世界の中で生きることができるのです。なぜなら、子供は未知の世界に対して純粋に興味を持つことができ、また、想像力が豊かでもあるからです。大人になって、次々と立ちはだかる壁に直面した時、そうした鮮烈な経験が意外なかたちで役立つこともあります。」
 
冒頭の文章は、今年行われた京都大学2次試験の英訳の問題です。意味をしっかりと考え、わかりやすいものに言い換えられると英作文をしやすくなります。逆に、意味を考えもせずに「『わくわく』っていう英単語なんて覚えたかなあ。『思わぬ』は『思わない』だから’do not think’だな」などと考え始めると大変なことになります。
 
何をもってして「読解力」というのかは難しいですが、どの教科でも問題を読み解く力、作成者の意図を読み解く力は大切です。少々突っ込んだ話になりますが、この問題であれば、見た瞬間に、最初の一文では、so ~ that …の構文(とても~なので…)を使えることに気付くかどうかを確認しようとしている、問題作成者の意図を読み取れなければなりません。
 
大学受験の英語だからと言って、特別複雑に考えないといけないのではなく、タイトルにもあるようにコボちゃん作文でしていることと大して変わりはありません。対象となるものの意味を読み取って、それがより正確に伝わるように答えを書くということが大事なのです。
 
問題文を読んだ時に、私が一番強く思ったことがあります。それは、子どもたちが大人になったとき、この問題文と同じようなことを自分の体験談として誰かに話せるようになっていてほしいということです。

                              松蔭俊輔


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