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シフト制の仕事で生活リズムが崩れる

東京タワーが見える職場から次にやった仕事は、シフト制の仕事だった。

シフト制の仕事は今までにしたことがなかったけれど、職場は自宅最寄駅から三駅目だし、基本週四で入るという契約にしたので、心身ともに負担は少なそうに思えた。

ちなみに、お中元に関する仕事だった。データ入力と配達業者への電話確認業務だ。電話対応の業務というのはすごく苦手で避けてきたけれど、丁寧なマニュアルがあったのでやりやすかった。

ここでの電話対応業務の経験が、のちのち他の会社で電話対応業務があっても、無難にできるようになっていた気がする。

 

ここも女性が多い職場だったけれど、同じ派遣社員はみんな落ち着いた雰囲気だったし、居心地の悪さを感じることはなかった。繁忙期でなんとなく女性社員の人たちはぴりぴりしていたけれど。

ぼくはちょうど十二時半あたりに出社するシフトにあてられた(いわゆる遅番)。なので、朝早く起きる必要はなく、遅刻してはいけないというプレッシャーはなかった。

問題は、いつ昼ご飯を食べるのかということだった。遅番でも昼休憩は与えられる。きちんと一時間。大体十四時半か十五時くらいから。だから、食事をするのがその時間になる。

朝はゆっくりしていられるため、朝ご飯を遅くとって、昼ご飯を昼休憩の時に食べたり、または、出社する前に軽くインスタントラーメンを食べて、かつ、昼休憩時にも惣菜パンを一つくらい食べるか、という日もあった。

十三時から始業なので、もちろん帰りも遅くなる。退社時は大体二十二時くらいだ(残業含め)。

まさか遅番に割り当てられるとは思っていなかった。それも誤算だったし、何よりも最大の誤算だったのは、基本週四で入るはずだったのに、入社してから6勤1休が二週間も続いたことだった。

心身に負担のない仕事だと思っていたのに、全く逆だった。とにかく過酷だった。

休みの希望は事前に出せるのだけれど、出勤スケジュールを決めるのはそこの部長だった。繁忙期ということもあったので、6勤1休という事態になってしまったのだ。遅番に入れる人が少なかったのも、出勤数が増えた要因だった。

これで、生活バランスがものすごく乱れた。

それまではなるべく規則正しい生活を送っていた。家では食事をするのも、ほぼ時間を決めていたし、寝る時間や起きる時間もほぼ決まっていた。その方が精神的にも良かったからだ。

ところがこの仕事で遅番に入ってから、生活リズムが大きく乱れてしまったのだ。

前日に深夜の一時とか一時半あたりに寝ても、朝はいつものように早く起きてしまう。大体六時から八時の間(深夜遅くに寝ると、どんなに睡眠時間が7時間以上でも翌日は体が不調になる)。

朝ご飯はできるだけ十時半くらいにとる(軽くパンを)。

出社して、十五時くらいに休憩時間をもらい、遅い昼ご飯を食べる。

退社時間は二十二時以降なので、家に帰るのは23時近く(もしくは以降)になる。シャワーを浴びて、そこでやっと夜ご飯。普段(この仕事をする前まで)は二十時半とか二十一時に晩御飯を食べていた。なので二十三時以降の食事というのはかなり遅い。

でも、睡眠障害も抱えているので、寝る時間はあまり遅くできなかった。

しかもこれが毎日続く。繁忙期ということで、6勤1休や5勤2休だ。

スマホなども職場に持ち込めなかったし、外部の情報がとにかく得られにくい。隔離されたような気分になってしまっていた。

生活バランスが崩れると、疲労感が増したし、精神的にも参りやすくなってしまった。

とにかくシフト制は全く楽ではなかった。土日も関係なく出勤の会社だったため、曜日感覚も狂ってしまった。また、ちょうど真夏の時期だったため、その部分でも体力がもっていかれた。

二十三時以降に晩御飯を食べて一時くらいに寝るという習慣も良くなかった。食事して寝るためだけに家に帰ってくるみたいな生活になってしまっていたからだ。朝はゆっくりできても仕事に行くという緊張感が常にあるのでリラックスはできない。

ぼくの場合、仕事をしていても、家に帰ってきたら、執筆活動をしたい。執筆活動にいつも最低一時間は欲しい。テレビも観たいし、ゲームもちょっとしたいし、ネットも確認したい。そうすることで日常にリズムを作り、精神に安定をもたらすのだ。

今回のこの職場では執筆活動もほぼできない生活となってしまった。

短期契約ではあったけれども、諸々の要因で精神的にかなり追い詰められ、うつ病も悪化してしまった。早く終わってほしい、そればかりを考えて仕事をしていた。毎日が虚しく、死にたいという思いもよく湧いていたように思う。

当然、業務にも支障が出てくる。そこまで難しくはない業務だったけれど、隔離されているような気分を感じて、常に体が緊張と不安に支配され、失敗しはしないかとネガティブなことばかりを考えてしまっていた。社員(みんないつもぴりぴりしている)に叱られはしないかとか。ここの職場では頻繁に新しい業務を教えられて、それを覚えるのも大変だった。間違ったら当然怒られる。

電話応対もいつも小刻みに震えていた。冷や汗も出ていた。

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