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詩 「過日の秋」

教会の鐘がらんらんと鳴る
清い夜の底に私の心臓が潤う
足どり軽く白い息、ああ、嬉しいな
走れど走れど私の肩は幸せの風を切る
なんだこの音、この祝福の音
私の悦びをこの世界いっぱいに
知らしめているんだろう

寂しすぎた秋が終わるとき
また初めて見るあなたと出逢った
とても生き生き高揚して、私の赤面を誘うの
その純朴な瞳の奥に私は吸われてしまうよ
あなたに差し上げた高カカオチョコレートの
苦い演出には動悸がしたけれど
あなたの微笑みはむしろ甘美すぎた

橋の灯火が煌々と輝く
街は色彩豊かな点描画、なんて、美しいの
光の粒子は笑いながら私の髪に触れる
「この世が愛で満ちるように永遠に祈るのです」
焔の啓示、鳩の首はオーロラの色
麗しい悦びは砂子のきらめき 
その光は反射によって紡がれつづける

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