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詩「花」

行き場のない人たちは
街角の掃き溜めに咲く
一輪の寂しい花のよう
寂しさの分だけ力強く
寂しさの分だけ美しい

お弁当箱のような庭で
出会った喜びに腰掛け
別れの挨拶に傾聴する
春の雨に唄えばそれ丈
人生それ丈で良いのだ

手放すか抗うか自問し
ただ通行人に微笑する
蜜をば蜂にくれてやれ
動けぬ場所で時は流る
誰人にも摘まれない花

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