見出し画像

詩「サンカヨウの唄」

雨が降る
君が降る
氷晶のような硝子のような
遠くの記憶より来る
なつかしいきらめきと

サンカヨウ見たことないの
雨とまじる香り
高山地域にそっと咲くんだ
こんな花があるんだって
いますぐに君に伝えたいよ

君の笑顔と出会いの痛みを
忘れたくないよ
忘れないよ
神経に注ぐ雨粒は
いつだってきときと

雨降りつづく
レースのカーテン濡らす雫
僕はこの唄を口ずさみながら
己の瞳を潤わせてるよ
爪が奏でるアルペジオ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?