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詩「ゆくえ」

瞬く間のすれ違いと
わたしの間違えた舵取りで
八分音符のフレーズがaccel
火花の柳が風に散り散り
あとは煙たさが頭に漂う

わたしはもう誰とも会うことがない
正面から衝突して差し違えたふたり
はなから何も望んではいけなかった
隣で笑った神様はかつてのまぼろし
喫茶店の角で温かなアールグレイを
臓器を潤すものがいつだって本物だ

加速した日々はただわたしを破滅に導く
もう会えない人よ
貰うばかりだったわたしを
どうか許しておくれ
あなたの生きている証すらもう霧の中

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