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詩「海」

私は海をわらう
寄せては引く波にときめきを重ねて

水面には昨宵の星屑が散らされる
まるで海と交わった夜空の忘れ物

ざざざと吹く潮風は時間も空間も知らない
私は私として淋しさに腰かける

数匹のフナムシと私は一つの岩となり
やがて風化する

海水が私の隙に入り込む
受容と一体化をおそれる私に

海に、
海にのまれる

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