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詩「朋」

生まれて死んで生まれて死んで
その巡る季節と潮流にのまれながら
いつか貴方と見つけた宝物を私は胸に抱いて
お月様みたいなパンケーキ焼こうかな
分け合うためのふっくら甘いパンケーキ

素敵な人たちと笑って泣いて
死んで別れて膝を抱えて
いつか見たはずの絶景もどうでもよくて
「貴方」が誰かなんて皆が忘れてしまっても
貴方の美しい花簪は透明な香りを放ち続ける

なぜスタートを切ったのだろう
ただ死に向かう山路で貴方と出会った
醜く腐っても宇宙塵にはなれない
悪臭を放つ私にあたるスポットライト
傍の貴方の陰翳が私の救い

私は貴方に生きててほしい
何もかも大丈夫じゃなくても
温かな食べ物を本当に心の温かな貴方へ
地獄とも楽園とも言い難いこの世で
何があっても貴方の雫もえくぼも美しいから

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