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詩「澱」

今日もまた安い嘘を叩き売り
釦の掛け違いを繰り返す
わたしたち海の澱みたい
何もかも手放した澱みたい

誰かの落とした雨色のガラス片は
偽物の水晶みたいに鈍かった
わたしたち海の澱みたい
重油にまみれた澱みたい

鏡だと思うほど愛憎はシーソー
出会いも別れも透過した夢
わたしたち海の澱みたい
汚くきれいな澱みたい

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