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詩 「瞳」

あなたの瞳の慈悲深く
純度の高い寥寥たるや
エメラルド原石の静謐で輝いている
白鯨のお腹 オリーブの木陰 G線の上
時代と地層を越えて視線を交わす幸せは
シルクロードの蜻蛉玉も
きっと誰かの熱い息吹であるという
大きな確信を抱かせる

時空の奇妙な重なりは
山躑躅の十二単のようで
遥か海底より歌と希少糖を掬い取り
私に生きている体感を与えた
「私はたしかに生きている」という事実は
雹のキリリとした透明度を抱えて
計り知れないほど痛々しいけれど
あなたの笑顔を誘いたいから
私も笑っていたいと思う

どうかその瞳の灯火が
全く色褪せることのない
愛しい出来事と喜びのように
永遠でありますように

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