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詩「生きる」

言葉も足も失って
心ばかりが異常なくらい
重い水を掻いています
私の指の間には金剛石の粒がまとわりついて
背中のこわばった筋肉は
床から剥がれそうにもありません

頭蓋骨と肩は疲れ切って
ゆくゆくは魔女の悪戯で
私の体もオシマイですか
私みつけました
涼風に玉簾が透けるような
あなたの背中を

私の冷え切った肩に
常夏のあたたかな雲を一切れ
あなたの手によって掛けてください
まもなく虹色のお掻取になります
金糸や銀糸の織り込まれた
それはたいそう美しい徒労です

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