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詩「未明」

世界は暗いな
私が暗いからかな
花に囲まれた地獄につづく道
分類なんてできないし
境界線なんて引けないよ
偏見とそれによる恐怖という泥
人々の間に横たわる黒く重たい泥

星の数を数えようとする生
川の水を飲み干そうとする生
心の静謐が雫となってまた土を濡らす
「ほら、おいで」
もう耳を塞いで久しいよ
いまゆっくり私は解体されている
あなたのカラ元気が私を苦しめる
全てが虚構だと
あなたが一番判っているから

あの蓮池に星空が吸い込まれて
やがて日が昇ると匂いやかなように
切れた縁 去る背中に手を振って
私はいつまでも笑顔でありたいな

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