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詩「リーラの詩」
甘美な風に誘われて
わたしいま藤棚の下
生キャラメルに凝固した
香りを一身に受けています
最後に見たあなたは
絶望のスポットライト浴びて
力なく笑っていました
脳みそのしわに吸われたその相はリフレイン
花序のゆらぎは振り子のよう
記憶のしっぽが遺影になって
この藤の花をレイにして
石のようなあなたにかけましょう
たぶん涙もこぼさないと思います
はたまたすべては石であり花であるため
わたしは呼吸も深く安堵するでしょう
わたしがあなた以外に没頭すれば
あなたはわたしを赦して云う
変わらない過去は無いのですと
悔悟は鼠の足の速さ
わたしはリーラのお茶を点てる
季節の巡りは必然で暢気なわたしもいるものです
いま咲いている藤の花
いまのあなたを信じて
わたしはこの世界における愛の有無を
花弁の数だけ賭けてみましょう
またいつかあなたの本当に幸せな笑顔の端を
風の便りに聴くその日まで
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