リスタート vs水戸 1-3

第2の開幕戦

 開幕を迎えてから早3か月。例年であれば、GW中くらいからの加速がひと段落して、消化不良のドローが続くような頃合い。ところが、今年は様相が異なる。3年ぶりに帰ってきたJ2の舞台は、1節を終えて再び遠く離れた存在となった。得体のしれない感染症、錯綜する情報。不安の募る状況下で、サッカーを楽しむ余裕はとてもではないがなかった。少しづつ落ち着きを取り戻し、DAZNで見ることのできた映像も、ただただ渡邉新太とファビオに殴られるいつぞやの強風の中での試合だけなのも精神的に厳しかった。

 そんな中、久しぶりにサッカーのある週末が帰ってきた。再開初戦の相手は、水戸。昨年はプレーオフにあと1得点足りず涙を飲んだが、我々が3部で修行している間に着実に力を伸ばしていた。今シーズンは顔馴染みの秋葉さん(この中断期間に体を絞ったらしいとの水戸番記者の話)の指揮のもと、伝統の守備の堅さを維持しつつ、攻撃のスタイルを確立しようと模索している。

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 群馬は3月に加入した林陵平が移籍後初出場。昨シーズン終盤に怪我を負い開幕に間に合わなかったKJも復帰。右サイドではSBに岩上、平尾を1つ前で起用したのは意外だが、平尾のオフェンシブな部分を活かそうという思惑だろうか。

 対する水戸は、開幕戦で途中出場だったキャプテン中山仁斗がスタメン起用。右サイドの松崎快はJリーグデビューとなる。細川、木村といったお馴染みの面々や、昨年のU-20ワールドカップで活躍した山田康太など、様々なタイプの選手がそろった印象。

前半

 立ち上がりはある程度探り合いのような展開。徐々に形を作ろうとするホームチームは、林が右サイドに流れて顔を出す機会が何回か見られた。左は高瀬が攻撃参加のタイミングを窺うが、なかなか噛み合わず。宮阪のミドル以外はこれといった場面は少なく。

 水戸の時間が長くなる中の34分、コーナーキックから中山がプッシュ。ニアで触れなかったのが痛かった。その後は、完全にハーフコートゲームとなってしまう。松崎と外山を捕まえることができず、水戸の思い通りの攻撃が繰り広げられる。慶紀が止めてくれなければ、前半で試合が決していた可能性は高い。

後半

 後半になっても流れは変わらなかった。攻撃の形が見えず、シュートまで持っていくことができない。57分、高瀬に替えて飯野七聖が今季初出場。七聖が縦への意識を強く示したことで、多少ボールは前進したが、フィニッシュまでは結び付かない。
 迎えた71分、自陣左サイドの混戦の中でハッキリしたプレーができずにいると、ボールを拾った水戸が細かいパスを数本繋ぎ、最後は中山が厳しい体勢から振り抜いた。中山の気持ちが滲み出たドッピエッタだと感じた。
 2点を取ったことで水戸のインテンシティが多少落ち、ボールを回す時間が増えてきたが、85分、再びコーナーキックからンドカに打点の高いヘッドを叩き込まれてしまう。

 気落ちする展開となってしまったが、途中出場進のJ2初ゴールで87分に1点を返す。チームとしても今シーズン初ゴールとなったが、この形は良かった。宮阪のボールコントロールも見事であり、岡田の落としもさすが、何といっても進の動きが素晴らしかった。

 1点を返したことで動きも良化したが、やはり返す時間が遅すぎた。結局1-3で終了。


雑感

 やはりチーム構築において雲泥の差があることが如実に表れた試合だった。林がターゲットになるのは相手も把握しているだろうし、TMで結果を残した情報が入っていれば嫌でも警戒される。じゃあ、林がケアされていたら次の手はどうするのか。そもそもどうやって点取ろうとするのか。攻撃をしても「狙い」が見えてこない(同じこと新潟戦の時も言ってた気する)。ラスト10分は点を取ったこともあって比較的良い時間帯だった。進、七聖、岡田といった途中出場の選手が迷いなく縦を目指していた。例えバレバレでも縦に仕掛けていくのが七聖の良さ。中山ももう少しボールを触る機会があれば違いを生み出せそう。
 KJに関しては2部でも十分通用するし、KJ中心に攻撃組み立てないと現状厳しい。1人で時間を作れるし、速攻とゆっくり行く場面の使い分けができる。改めて存在の大きさを感じた。

 ディフェンスは、まだまだ発展途上。セットプレーの改善が急務なのは言わずもがな。今日は相手が可変気味でやりにくいのはあったが、あまりにも外山と松崎を離しすぎた。サイドに張られると難しいが、去年の北九州戦で高橋大悟に付き切れなかったのと被る面もある。今日の場合、1回前線に楔が入った時に、岩上と平尾がどちらも下がってしまい、外山が空くことが多かった。ウイングが戻る状況でのマークの受け渡しがうまくいかなかったことも原因の一つ。
 楔一本で抜け出された場面が散見したのは、パサーにプレッシャーに行けないこと、真ん中の距離感が悪くて引っかからないこと等々頭が痛くなる。
 後は、少なくとも3点は防いでくれた守護神には感謝しかない。こんな頼れるGKをベンチに置いといた人が西の方にいるとかいないとか。今年も慶紀に助けられるシーンは多くなってしまいそう。


 厳しい状況を突き付けられた結果になったのは確かだが、果たしてそれほどにまで悲観する状況なのだろうか。課題は多いが、まだそれほど深刻な状況ではないように個人的には考える。10試合戦っても同じ負け方をしているなら話は別だが、まだ2試合目。第一、昇格1年目のチームでいきなり上手くいくなんてことはそうそうない。ましてや監督交代で去年までの積み上げはほぼほぼリセットされている。逆にこの状況で簡単に勝てると考えるのも幾分烏滸がましい。

 ポンポンと大量得点で勝てる試合ができるリーグは抜け出した。毎試合苦境に追いやられることは想像に難くない。こんな1試合の3失点負けで文句言ってたらシーズン終了まで体力持たない。今シーズンのチームを駄目だと判断するにはあまりにも時期尚早である。来週もなかなかヘビーな相手だけど、今節から改善が見られることを願う。

 にしても、やっぱり負けてモヤモヤしたまま1週間過ごすと思うと憂鬱だし、こうやって試合見てグダグダ言える日常が帰ってきたのは嬉しさもある。

(参考資料)
 前回J2昇格した初年度はどうだったか。15年経って成長した部分は第2節で初得点を記録したところ(違う)。


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