秋霜烈日 vs北九州 0-2

 首位を快走する新潟のホームに乗り込んだものの、練度の違いをまざまざと見せられ、抵抗虚しく敗戦。あのポテンシャルの選手たちが、あれだけオーガナイズされた動きをすると守るのは難しい。ただ、後半からはウチもリスクを背負って前でのプレーが増えたのは収穫であり、試合への印象もそこまで悪くなかった。久々にアウェイに行けたことで感覚が麻痺してる感は否めないものの、その昔天皇杯で何もできずにビッグスワンを去ったことを思い出すと、雲泥の差である(去年行けなかった分、比較対象がだいぶ古くなってる)。後半の出来を如何に今節も持続できるか。

 今節の相手は北九州。2018年にJ3で鎬を削った仲ではあるが、昨シーズンのスタートは真逆となった。J3で勝ち方を会得したチームと山賊に襲われて再構築されたチームに差があって当然ではある。北九州は終盤失速こそしたものの、ある程度の段階まで昇格の可能性が残っていた。選手個々の評価も上がっていたため、シーズンオフは草刈り場と化した。主要メンバーがほぼ全員ステップアップし、今シーズンは再びチームを作ることになった。
 それでも、小林伸二監督のもと、ボールを大事にするサッカーを展開。メンバーが大きく変わってしまったため勝利こそないものの、大崩れしておらず、いつ結果が出てもおかしくない。何よりチームの心臓である高橋大悟が今年もキレキレで、かなり手強い。
 加えて、ウチと小林伸二氏との相性はかなり悪い。ウチから見て3勝5分7敗となっており、清水時代には日本平で0-8もやられてる。勝つイメージが全然ないが、そろそろ一矢報いたい。昨日、新潟と琉球が、今まで勝ったことない相手に勝利しており(新潟対東京V、千葉対琉球)、過去のデータを覆す流れに肖りたい。

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 ウチは前節から3枚変更。平尾→広大で、藤井を右SBで起用。あとは岩上→中山、久保田→内田。岩上が前節交代する際に腹部を抑えていたが、何らかのアクシデントか。

 対する北九州は、前川→永野の1枚のみ変更。今シーズン初勝利を狙う。

前半

 立ち上がりからかなり北九州が圧力を掛けてくる。ウチのビルドアップの難点をスカウティングしており、左サイドに追い込まれた。かといってロングボールを蹴らせてもらえるわけでもなく、松原が何とか処理する場面が多かった。松原の足元の技術が著しく向上しているのは、今シーズンすごく助かっている。

 15分、右サイドを高橋大悟が抜け出しクロスを上げ、西村が左足でフィニッシュ。しかし、体が回り切らず流れ、シュートは枠に飛ばなかった。

 ここ数年対戦するたびに感じていたが、やっぱり高橋大悟のポジショニングが抜群で、マークの受け渡しが難しい。内田、KJ、昇偉が頻繁に受け渡していたが、どうしてもズレてしまう。さらに、今シーズンは針谷が1列後ろからスイッチを入れられるため、高橋が真ん中に流れる場面が少なくなった。勿論カットインで中に入るシーンはあるが、基本的にサイドで幅を作られ、その位置でタメまで作られると守り辛い。

 それでも大崩れせずに試合を進めていたが、35分に試合が壊れる。CKの際にゾーンで守っている以上、折り返しへの対応は難しくなるが、ファーで競り負けて、そのボールに反応された。そこから先は言及する価値すらない。

 理解不能な出来事から先制され、さらに数的不利に陥り、興ざめ。

後半

 10人になってからは、KJを中に置いて翔大を左サイドに回し、大前を頂点にする4-4-1で対応していたが、後半もそのシステムで模索。

 失うものなど何もないウチは、両SBが高い位置を積極的に取る。特に藤井は稔也とテンポ良くボールを回しながら前進を続け、何本か惜しい形を作る。

 しかし、その藤井にアクシデント。恐らくは右足のハムを痛めピッチに座り込む。藤井に代わり平尾が入り、昇偉が右SBに。開幕からチームの主軸として活躍していた藤井の離脱は、あまりにも大きく、大事に至らないことを祈るしかない。

 61分、追加点。高橋が大外から隣のレーンに動き出すと針谷から見事な縦パス。これを受けた高橋が冷静にGKをかわして流し込む。

 2点のアドバンテージを持つアウェイチームは初勝利をほぼ手中に収めて無難に残り時間を流す。

 ウチは一木が5戦目でデビュー。進も相模原戦以来の出場。どちらも気持ちを切らさず前からプレスを掛け続けた。

 とはいえ、試合が崩壊しているため結果は変わらず終了。

雑感

 外部的要因が大きく試合を左右しており、チームの出来に対する評価が難しい。試合を行う同じサッカーファミリーだって言うなら、対話すらしない態度なんか以ての外。

 11人いたのが30分ちょっとだった中で、その30分で攻撃の形があったとは言えない事実は受け入れざるを得ない。開幕の2ゴール以降自分たちでネットを揺らせていない。大前にそろそろ初日が出ないと、本人も焦るだろうし、今日もかなりフラストレーションが溜まっていた(主要因が別とはいえ)。
 前節も似たようなこと書いた記憶あるが、ファーストタッチの置き所が悪くて、持ち替えている間に相手に詰められる&スライドされ、結局フィフティーのボールを蹴ってセカンドを拾われる。繋ぐ意識を高めるならば、1つひとつの細部に拘らなければ足元掬われる。足先だけでトラップされて詰まるのを何度も見るし、相手に狙われるのも納得してしまう。繋げないなら蹴る選択肢もあるし、状況判断が乏しい。京介がいたころ、将也や光永と一緒に必ずファーストタッチのトレーニングをしていたのは鮮明に覚えているが、そういう積み重ねが今どれほどあるのかは、見えてこないのが現状。

 ディフェンス面は、アタックするポイントが各々でバラバラになってしまう。SH-SBの関係性は大分改善が見られる一方、バイタルで縦パスを通された時に寄せ切れずに反転されるのはよろしくない。反対に、FWが一列落ちてボールをもらう場面ではCBが食いつき過ぎて釣られるのも気がかり。去年フリーマンの端戸に食いつき過ぎて、そこでできたスペースを自由に使われたヴェルディ戦と問題の根本は一緒。もしそのままマークするなら、ボールを取り切らないと白旗を上げるしかない。

 運がないで片付けることもできるが、年間通せばこんな試合も発生する。どうしてもネガティブになってしまうが、今日に関しては第一に最後まで走り切った選手たちに最大限の拍手を。そして、決定機を最高のプレーで防いだ中山を誇りに思う。俺達のエンブレムに当ててピンチを救った姿は絶対無駄にならない。またすぐ敷島で躍動するのを楽しみにしている。

 来週はなかなかシビアな6ポイントになりそう。スムーズな試合が行われるうえで、しっかり勝ち切るのが理想だ。

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