見返せず vs松本 0-2

負けられない相手

 開幕4連敗と、意外性のない大方の予想通りのスタートを切っていた中、ミッドウィークに突如として覚醒。敵地で山形を下し、思っていたよりも早く初勝利。チームとして目指す形が少し見え、選手もサポも一つ安心した(山形の出来が中途半端だったのは否めないけど)。今季初勝利の勢いそのまま、今節も殴り込みたい。

 そんな今日の相手は松本。ウチと違って1年で居場所であるJ2に戻ってきた(※あくまで煽りじゃないです)。もはや説明不要だが、元指揮官である布監督の下、J1復帰を目指す志の高いチーム。山雅サポーターの間では、長期政権だった前任者の存在は大きく、未だに多くの信者がいるらしい。その後任を務めるのは並大抵の仕事ではないはず。今シーズンは、1勝3分け1敗という微妙なスタート。前節は、前半に水戸に2点を先行されるが、HTに怒りの3枚替えを行い、息を吹き返したチームは結果として勝ち点1を得ている。思い出せば、群馬を率いていた昨シーズンも、スタートは振るわなかった。しかし、5月に4バックにシフト、天皇杯で試運転を行い高澤システムを見出したチームは開眼。見事至上命題であるJ2復帰を果たした。このことから言えるのは、布さんのやり方が浸透するにつれて、チーム状態は上向いていくとうことだ。今はまだ試行錯誤の段階。群馬としては、噛み合っていない部分を突き、勝利で布さんに恩返しをしたい。

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 群馬は今季初勝利を挙げた前節から1人変更。山形戦終了間際に負傷交代した広大が欠場し、鈴木順也がスタメン入り。広大の状態は気になるが、大八・順也のコンビは将来の群馬を背負って立つ2人であることは間違いなく、成長した姿を布さんに示したい。攻撃陣の配置転換により機能しだしたチームは、今節も躍動するのか。

 対する松本は、ミッドウィークから3枚を入れ替える。前節HT後から途中出場だった、杉本太郎、セルジーニョ、阪野豊史をスタメンに据えてきた。杉本のドリブル、久保田のフィードで違いを生み出してくる。

前半

 立ち上がり1分、いきなりゴールネットを揺らされる。ハーフウェイ付近からのFKを高木が合わせる。しかし、これはオフサイドの判定で事なきを得る。その後、ボールを保持しながら攻撃の糸口を見つけようとするが、なかなか縦のスイッチが入らない。
 14分、今シーズン5度目の先制点を喫する。左サイドを攻め込まれ、田中隼磨に上げられたクロスを宮阪がコントロールミス。スクランブルとなったボールに塚川が反応。角度はなかったが、ここしかないというコースに飛んでおり、慶紀はほぼノーチャンス。

 先制点を決めて落ち着いた松本は、やるべきことが明確となる。昨季、幾度となく見てきた、中を閉めて、縦パスを入れさせない形。いざ戦ってみると、本当に崩しづらい。林や進に付けたところから攻めたい群馬だったが、見事に構築されたブロックを前に、次第に牙を削がれていく。高瀬、田中の両サイドも牽制され、CB+内田・宮阪の間のパスが増えていく。それでも、部分部分では攻めの形を作った。林、岩上、進が中心となり、攻めの姿勢を見せた。それもあってか、先制されたものの、そのままズルズル崩れることなく前半を終えたような印象を受けた。

後半

 後半開始後も、後ろでのボール回しが多くなる。状況を打破しようと、53分、中山→大前のチェンジ。前節試運転を行った大前を起用し、真ん中でのポイントを作ろうと試みる。
 進とは違った受け方のできる大前が入ったことにより、最終ラインと前線の間に経由地ができた。松本のセントラルの脇を狙うことで、前を目指す動きが活発化した。

 しかし、前掛かりになったタイミングのロストから、ショートカウンターを喰らう。阪野の前進から杉本へと渡り、そのままフィニッシュへ。去年ウチで狙っていた形を見事に披露される。自分たちの時間になろうとしていただけに痛かったが、ロストした時点で、こちらにできることは限られており、そこから先は個々の責任どうこうではない。無抵抗でいいわけではないが、スピードに乗せた杉本を止められるDFは、J2の中でも少ない。水戸戦後に奥野監督が言及していたように、「あと一歩寄せる」といった意識の部分は今後も修正可能であるため、改善を期待したい。

 失点後、飯野七聖と青木翔大を投入。余裕のあるタイミングで翔大を入れるのが理想ではあったが、遂に頼れる10番がピッチに帰ってきた。
 七聖は町田戦もそうだが、常に縦を狙う意識を前面に出していて、例え相手にバレていても臆することなく仕掛けていく。ああいった姿勢は間違いなく必要だし、チームに伝播していくだろう。気持ちが入るあまり、熱くなってファール気味なプレーも多いが、これからもその熱を押し出してほしい。
 さらに白石も投入し、より前への圧力を高めていくが、2点差で無理に出てくる必要のないホームチームは余裕をもって試合をクローズしていく。


雑感

 前節勝った勢いを押し出して戦いたかったが、前半の比較的早い段階で先制されたことで、相手に余裕を与えてしまった。やはり、策士だったなという印象。山形のように自分たちでボールを握ろうとしてくれる相手にはハマるが、ブロックを形成する相手に崩せないのは通年の課題、永遠の課題。
 逆に言えば、それを打破するための今シーズンのはず。自分たちでボールを保持し、主体的にゲームを展開していく。今日もボール保持率は高かったが明らかに持たされていた。持たされた状況でどう攻め込むのかっていう部分を突き詰めなきゃ、根本の解決には繋がらないでしょってこと。
 トライ&エラーを繰り返してくことでしか、その先のステップには進めない。ビハインドの状況が続くにつれて、後ろから縦に付けるパスが減っていったのは少し残念だった。勿論、縦を入れても前進できないことが多いことを受けての判断は賢明だし、連戦で疲れもある。ネガトラのことも考えると、自分たちの陣形も考慮しなきゃいけない。そこは分かる。一方で、せっかく後ろで繋いでたのに、その先の展開がないままなのはあまりにも勿体ない。
 大前が入って顔を出してくれるようになったこと、七聖が強引にでも持ってこうとすること。途中出場の選手が状況を変えたことはあるが、もっとチャレンジできたように思う。闇雲に縦ってことはないけど、現に山形戦ではできてたことを考えること、ポテンシャルは十分ある。難しい展開、厳しい相手に対しても、突き詰めてく姿勢の部分。

 中途半端にまとまることなんかしないで、とことん足掻いて、とことんチャレンジしてほしい。突き詰めた先に絶対掴むものはある。

 次節まで1週間空くし、まずは疲労回復。そののちに、積み上げたものを見られるのを期待したい。

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