点滴穿石 vs金沢 0-0

 ミッドウィークに組み込まれた北関東ダービーで完勝し、格の違いを見せつけた。試合前のモチベーションの部分から明らかに差があり、それが試合の入りに現れた。北川の先制後は落ち着いて試合を殺し、個々の頑張りが報われる勝利となった。

 中3日と日程的には少し厳しい状況で迎えるのは金沢。現在7戦勝ちなしの3連敗中。再開後2試合連続で試合が中止となり、ウチと同じくミッドウィークに長崎と対戦するも0-2。マンツーマン気味での守備は十八番だが、点が取れないで落とす試合が多い。丹羽、瀬沼、杉浦などのメンバーはいるが機能しきれず、丹羽は5月以降得点がない。

 お互いにミッドウィークからの連戦で身体は重くなるだろうが、先制してペースを掴みたい。

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 ウチはミッドウィークから4枚変更。勇利也→ジャス、内田→中山、昇偉→和音、翔大→彰人。ベンチには慶記が帰ってきた。

 対する金沢も水曜日の長崎戦から5人変更。白井→後藤、稲葉→廣井、大橋→力安、大石→金子、瀬沼→杉浦恭平。松田と渡邊は前育の選手権優勝メンバー。

前半

 立ち上がり早々、スクランブルによってチャンスを得る。和音のプレスを受けた渡邊がバックパスを選択するも、後藤の立ち位置からずれてしまいゴール方向へ。これは辛うじて後藤が掻き出すが、このこぼれ球を進が拾う。進は北川とワンツーでマークを外してクロス。これに彰人が飛び込むもポストにヒット。ここ数試合立ち上がりに先制点を奪えていたが、ここではゴールならず。

 お互いに試合間隔が短いこともあり、1歩目の動き出しが重い印象。金沢は大武・畑尾のCBにはボールを持たせるようにしてプレスをしてこなかった。その分、中央の岩上に入ったところがプレスの基準点になっており、簡単には前を向かせてもらえず。直近2試合は大武のロングフィードが目立っていたが、フィードの前には岩上との適切な距離を保ってパス交換することで相手を誘き寄せていた。これにより相手の陣形が崩れ、空いたポケット目掛けてボールを供給できた。しかし、相手が重心を低くすることで、無闇に後ろから縦パスを打ち込んでも50:50以上のボールにはならなくなってしまう。
 さらには競った後のセカンドへの反応が遅れ、体感だと7割程度金沢に拾われていた。そのためウチのDFラインを押し上げることができず、攻められたとしても単発で終わってしまった。

 それでも20分、大武のフィードを北川がDFを背負いながら落とし彰人へ。彰人は左の進に渡し、その外をオーバーラップ。進は彰人の動きを囮にカットインして右足を振り抜くも後藤に防がれる。

 その流れでのCK。岩上のアウトスイングのボールに対し、小島が下がりながら合わせる。さらには彰人がコースを変えて狙うが、これも後藤がファインセーブ。惜しい形は作れているが決めきれない嫌な流れ。

 32分、センターでこぼれ球を拾った岩上が和音へ縦パス。それを見て北川が半円の動きで追い越してボールをもらう。PAに侵入すると右足のフェイクから左に切り返して持ち込む。最後はDFにユニを引っ張られながらも左足でフィニッシュ。しかし枠に飛ばず。体勢は崩されていたがストライカーらしいプレー。

 37分、ウチのフィードを庄司が跳ね返して渡邊へ。渡邊→藤村→渡邊と繋いで彰人を剥がすと、フリーマン的な役割で落ちてきた丹羽に付ける。岩上が高い位置を取っていたため中山が1枚となって丹羽にアタックできず、前を向かせてしまう。丹羽は前進して金子に渡してPAに入っていく。ハーフスペースに走った藤村が空けたパスコースを使って金子は丹羽に通す。丹羽は潰れながら落とすと、最後は嶋田が左足でシュート。かなり危険な場面だったが、ここは松原が防ぐ。

 スタッツではシュート10本打ったことになっているが、それほど押していた感じもなく、スコアレスで後半へ。

後半

 This is 虚無。ラスト10分までは塩漬け上等の割り切った内容だった。

 47分、嶋田のCKからニアで庄司が合わせるも、松原が間一髪で防ぐ。アウェイではCKから失点してるだけに、嫌なイメージが脳裏を過る。

 その後は両チームともに選手交代するも、どちらも戦術的変化を加えるより疲労度を考慮したような形。膠着状態が続く。
 内田の投入により、岩上のポジショニングが高くなり、内田がサリーダ気味でプレーする珍しい形になった。前節の活躍をみれば内田も問題なく担える役割であり、これにより金沢のマークの付き方が少し混乱した。

 83分、自陣深くで昇偉が回収してクリア。しかし大石にディフレクトして中にボールが転がる。これを大武がクリアするも今度は瀬沼に当たる。瀬沼はこぼれ球をシュートするが、松原が右足で反応。松原に救われたとはいえ、そもそもどう見ても瀬沼の右手に当たっており、危うくまたリーグに意見書提出する案件が発生するところだった。

 直後のCK、藤村からのボールを力安がヘッド。松原がファンブルしたところを再度力安が狙うが、ここも松原が体を張ってブロック。この試合松原は何点止めたか分からないくらいの活躍。

 86分、カメラのスイッチャーが追い付かないクイックリスタートから翔大が抜け出す。しかし、ファーストタッチの置き所が悪く、辛うじてシュートを打つも決められず。右に持ち出すか左で角度ないところから狙うかで迷った。

 90+5分。シラが自陣で拾って進へ。進→翔大→シラとつなぎ、シラはDFに寄せられるぎりぎりのタイミングで翔大へ。翔大はファーへのクロスを選択するとそこには内田が走り込む。胸トラップから左足でシュートするが、ブロックに遭う。

 結局互いに決めきれず、スコアレスドロー。

雑感

 4連戦ラストということがひしひしと伝わる内容。

 ここ2試合であれだけのインパクトを残せば、それは当然消してくる。ハイプレスでフィードの供給源を断つのではなく、敢えてスペースを与えて誘導するあたりヤンツー憎し。
 それでも岩上orジャスから小島or進へのサイドチェンジは頻繁にみられ、前半はそれなりにチャンスまでつなげていた。後半は疲労に押され、重心がズルズル下がって攻撃すらままならなかったけど、それも想定内。
 最後シラを入れて無理やりでも推進力を生み出すのは有効手ではあるが、ロストした後のリスクが大きく、どのタイミングで使うかは悩ましい。ハイリスクハイリターンは勝負したいのが博打体質の群馬県民の性であるが、それで勝点積めなければ元も子もない。少なくとも降格圏を心配しないで済むまではリスクは背負わないのが賢明か。

 危ない場面は多かったし、ほぼほぼ決壊していた中でも3試合連続クリーンシートは評価できる。セカンドを拾えずズルズル重心が下がるのは伝統だが、最後の所をやらせなかったのは収穫。丹羽の虚点力に救われた部分は大きいが、ご愛嬌。結局中を兎に角締める原則を徹底すれば大崩れしないし、こういう試合展開でもなんとかなる。

 勝ち切りたかったというのは選手サポの総意だが、負けないことも大事。これで6戦負けなし、8月は無敗で乗り切った。直近3試合は順位が近い相手だったが、直接対決3つで7ポイントは及第点と言ってよいだろう。また、3試合の270分、天皇杯を含めば490分をトータルで考えたチームマネジメントは素晴らしかった。出場可能な選手が限られた極めて難しい状況で怪我人を出さず、結果を出せたことは今後の大きな糧。
 久しぶりにミッドウィークに試合がないが、次節はプロレス集団。今日の度重なるセットプレーの守備は、良い予行演習になった。ここでもポイント稼げればベストだが、願うは1つ。くれぐれも怪我人が出ず、18人全員無事に群馬に戻ってこれますように。

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