受け身 vs山形 1-2

 先週末の記憶は曖昧だが、クソみたいなチームの内容のない球蹴りに付き合ってる時点で勝ち目はなかった。が、そういう試合をドローでまとめるだけの技量がウチにないのは相変わらず。そろそろ大怪我になりそう。

 試合開始前からポジティブな要素を見出すことが難しい中、今日の相手は山形。何でこんな順位にいるのか疑問。そもそも去年も終盤まで上位にいた。オフに中村駿抜かれて中盤が薄くなったこと、ヴィニシウスアラウージョのコンディション不良等々の問題はあるけど、噛み合えさえすればそこそこ結果は出すのでは。とはいえ、昨シーズンの前半も昇格チームの初勝利を献上するなど、ピリッとしなかった。今年も同様の流れになり、遂に石丸氏を更迭。今節直前にクラモフスキー氏の監督就任と、前々愛媛監督川合氏のコーチ就任を発表。ビザなどの観点で合流はまだ先らしいが、立て直しに動き出した。前節お気持ち表明チームに負けた実績を残したウチとしては、これも不穏な流れ(物は言いよう)。

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 ウチは前節から3枚変更。昇偉→藤井、広大→川上、進→高木。川上は昨シーズン最終節以来の復帰。藤井も怪我明け。

 対する山形は2枚変更。熊本→山﨑、中村→林。主要な2人がベンチにもいない。

前半

 立ち上がりは良い具合にボールが回る。そういう時は結局ろくな試合にならないっていうダメ虎を見るような境地に陥っているが、左右共に機能したように見えた。

 例によってKJが2.3人を引き寄せて、オーバーしていく平尾に繋ぐっていう十八番のパターンは冴える。ただ、冷静になってみると、立ち上がりこそ相手も面食らうだけど、徐々にバレて対策も容易になっていく。加えて、KJ、平尾に絡む3人目がいないのが致命的。2人の関係性は素晴らしいけど、そこから先の出口がない分、相手も対応しやすいし、カットインの右足だけ消せば大事には至らない。

 で、ご多分に漏れず徐々に流れがアウェイチームに傾く。相馬町田よろしく横圧縮でウチのビルドアップを封じることに成功すると、平尾の縦パスをアラート。スローインでも嵌めてくるので、ウチとするとズルズル後退していかざるを得なくなる。

 押し込まれていった36分。ショートコーナーに対応できずKJが孤軍奮闘するもクロスを上げられると、中で誰もマークに付けず藤田に綺麗に合わされて失点。ゾーンに対するショートは有効な手だけど、最初のボールへの対応が勿体なかったし、バタバタ崩された時点で中は全員ボールウォッチ。もう少し対応の仕方はあったが、複数のミスが重なると失点まで結びつく。

 失点後も、特段ギアチェンジが起こることなくビハインドでHTへ。

後半

 後半開始から高木→中山。稔也を前に置くここ最近のスタンダートな形にして、内田を右に。

 選手交代から流れを変えようとしたが、その目論見はわずか数秒で崩れる。大前から岩上にボールを戻し、大きく蹴り出そうとしたところでまさかのスリップ。優勝に向けて負けられないアンフィールドでのチェルシーとの大一番でのジェラードのスリップを彷彿とさせる。幸い、失点に直結することはなかったが、流れを渡しかけた。

 直後の48分。稔也がPA内で強引に打ったこぼれを拾われると、山田拓巳の前進を安易に許してしまう。山田のパスが岩上に当たるも、いつもよりもトランジションが明らかに遅く、山田康太が難なく回収。ノープレッシャーでボールを持たせれば、当然高精度のパスが出てくる。体の向きを変える必要なく足元に収まる絶妙なボールを受けた林が、最後は慶記の股を抜く冷静さを見せて追加点。
 一連の流れがあまりにも脆く、今のダメな部分を象徴するかのような崩され方。

 2点を追う形になったことを受けて切った最初のカードは、平尾→昇偉。直後、昇偉のスルーパスに稔也が抜け出すも、シュートが素直なコースに飛んでしまい決まらず。恐らくこれが最初の枠内シュート。

 2点のリードを持った山形は明らかにリトリート。前の4枚に攻撃を任せて後ろは無理に上がらなかった。にもかかわらず、ウチのまずいボールロストが多発し、数的同数でのディフェンスを余儀なくされる。ウチのネガトラより相手のポジトラの方が上回っていて、どっちが負けているチームなのか分からない。

 そんな中で川上が再び負傷。脱臼癖は仕方ない。相手に引っ張られてはいたが、不可抗力に近い。川上→広大、内田→進の2枚替え。
 更に、藤井が明らかに動けなくなり、やや足取り重く交代。久保田をSBで使う完全スクランブル。

 ただ、進と久保田、後半開始からの中山の3枚が連動し、右サイドのパスが回るようになった。

 迎えた84分。大前のCKをファーで稔也が叩き込み1点を詰める。その前にも大前から良いボールが入っていたが、ゴールに結びつけた。

 1点を返したことで元気を少し取り戻し、前を向く回数が増える。多少強引にも縦に付け、進の推進力で前進を見せる。いつでも前を向く進は誇らしいし、去年の七聖に通ずる部分がある。

 最後は流石に後ろの枚数を増やして固めた山形が逃げ切りを図り、そのままタイムアップ。

雑感

 ここ数試合のダメな部分をかき集めましたっていう、ザ・負け試合。

 ゴールを取ろうとする展開が果たして何回あったのだろうか。先述の通り、左サイドの優位性を見せつけるのは前半中ごろまでが限界。かといってそこで蹴りを付けられるわけでもないので、安いロストでフイにしてしまう。
 あとは、左で崩そうとしたもののフィニッシュまで持って行けず、後ろで作り直そうとしたとき、1つ1つのパススピードの遅さ、ファーストタッチの置き所の悪さが相俟って、作り直すことがままならない。結果、CBが蹴り出すしか逃げ道がなく、攻撃が終了してしまう。
 終盤になって、中山、久保田、畑尾が離れた立ち位置で素早くボールを動かし展開していたが、あれを継続していくことが必要。勿論、相手が間延びしてプレスが掛かっていなかった分は考慮しなきゃだが、進で仕掛けて、戻して今度は逆から昇偉で殴ろうっていう展開は有効。

 ディフェンスに限らず、体の重さからかトランジションが致命的に遅く、間延びしている。
 山形が右サイドでバイタルに差し掛かった辺りから、林、山田+國分の3枚が1列に並ぶ関係になり、一時的にウチの枚数が足りない。それを補おうと平尾が絞り、KJが低い位置まで下がって対処するが、そうすると藤田が一列後ろで浮いていた。そこに内田が行くのか、KJが行くのか、はたまたFWが落ちるのかが定まらなかった。逆サイドでも似たような状況は見られた。山形がボールサイドに密集する分、ウチが必要以上に枚数を揃えようとして、却って数的不利になるジレンマ。

 岩上が前節後のコメントで、前と後ろのプレスのタイミングにずれがあるって言及していた。畑尾も同様の発言をしていたが、これは昨シーズンからずっと抱えていた問題。個人戦術の部分もあるとはいえ、チームでのプレスのタイミング・ボールを奪うポイントが定まらない。その結果、中盤の前後のギャップを自由に使われ、守備全体が機能不全に。

 岡山戦がフロックだったと言われても仕方ないほど、ここ数試合の内容はなかなかの薄さ。改善の兆しが見えないどころか、疲労もあってか試合を重ねる毎に悪化している感も否めず。

 現状を変える手段があるのか。進の姿勢で、我々の気持ちは辛うじて持っている。少ない時間でも常に直向きにプレーし続ける姿は希望そのもの。チームとしての緩さを払拭しない限り、この内容は続いてく。

 求む、起爆剤。

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