一朝一夕 vs愛媛 1-1

 岩上のゴールでしぶとく勝った岡山戦が遥か昔に感じるような3週間の中断。3週間試合ないなんて耐えられないと思っていたのに、結局家にいる間はずっとオリンピック見ちゃうのがスポーツ好きの性。普段全然見ない競技もルール分からないながらに見入ってた。水球の退水が頻発しすぎてカジュアルになってるのは困惑したけど。
 監督交代後2試合で1勝1分と流れに乗れそうなタイミングでの中断期間は難しいが、戦術を落とし込める貴重な時間とポジティブに捉えることもできる。そんな目論見でいたところ、外部的要因により恒例の草津ミニキャンプがキャンセル。残念だが事情が事情だけに仕方ない。

 3週間ぶりのリーグ戦の相手は順位の近い愛媛。アウェイでの対戦は、畑尾と久保田のヘディング、そして疑惑のオフサイドで辛くも勝った。
 前回対戦後に監督が解任され、實好氏が就任。あれだけ中身のない試合してれば監督解任は納得だが(ブーメラン)、交代後もブーストとは言えない低空飛行(ウチと同じくらい)。唐山、栗山、高木といった補強を行い後半戦での浮上を目指す。

 ウチとしても昨シーズン同様のシーズンダブル、最低でも1ポイントは拾わないと先が厳しい。

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 ウチは前節から1枚変更。右サイドは翔大ではなく久保田をチョイス。ベンチには磐田から加入した大武峻が早速メンバー入り。

 対する愛媛は、後半ATに追い付いた前節東京V戦から4枚変更。浦田→栗山、三原→小暮、内田→川村、吉田→石井。山形から加入した栗山がスタメンに入る。

前半

 前半は特段何も仕掛けない展開に慣れていたが、この試合は立ち上がりから相手の戦い方とも噛み合ってチャンスが生まれる。

 10分、ハーフウェイからのジャスのロングフィードを高木が頭で落として大前へ。大前→久保田→岩上と回して、岩上は高木に楔を入れる。高木のコントロールは相手に当たるが、そのボールを大前がシュート。しかしポストに阻まれる。大前は惜しいシュートが続くが、今シーズンは尽く入らない。

 21分、ジャスから久保田への縦パスが入ると、久保田は潰れながら岩上へ。岩上→中山、更に左サイドの勇利也に渡る。ここで中山が相手のIHを誘導すると、そのポケットで久保田がボールを受ける。スペースが与えられた久保田はターンして右足で柔らかいボールを供給。これに高木が飛び込むがGKの好セーブ。これも得点には結びつかない。

 31分、広大のフィードを受けた勇利也がワンタッチで稔也に付けてスプリント。再びボールを受けると一気に駆け上がりそのままシュート。しかし身体が流れてインパクトが悪く枠に飛ばない。シュートの選択肢は悪くなかったが、逆サイドで久保田がフリーだった。

 33分、広大の縦パスを大前が収めて高木へ。高木は4人に囲まれながらも前進して大前へ預ける。すると距離はあったが大前が思い切って狙う。枠に飛んでいたが、岡本がセーブ。
 その流れのCK、大前のインスイングのボールに畑尾がドンピシャで合わせるも当たりが薄く右に逸れる。

 こうしてみるとチャンスは多く作り出していたが、内容としてはそれほど差があるわけではなかった。ポジトラの部分で優位性はあったが、システム面の噛み合わせが悪く、嵌められない。両サイドのCB(大谷、茂木)が持った時にファーストアタックが定まらず、容易に前進を許してしまった。特に、ウチの左サイド、大前-稔也-勇利也の部分での脆弱性がバレていて、茂木は度々難なくボールを運んでいた。高木に比べて大前がプレス強度が弱く、稔也がWBを気にしてサイドに開いていたことで、茂木の前が開く。

 攻撃に関しても、3142-541気味でシフトする相手に構えられる場面では、難しい。愛媛は非保持時に石井が1列下がり、近藤と共にウチのセントラルを消しに来たので、必然的にCB-SB間でのパスが増える。しかし、SBに付けてもサポートの距離がよろしくないので、状況はさほど改善しない。ジャスは縦のフィードで活路を見出したが、中山や稔也との関係性で崩したい勇利也はノッキングしていた。
 結局、中盤で引っ掛けて稔也と高木のスピードで勝負する形でチャンスを演出することが多かった。

 チャンスは何本かあったが仕留め切れずスコアレスで後半へ。

後半

 後半は徐々に劣勢になっていく。より愛媛が攻撃時にCBを押し上げることを明確にしたことで、ウチのマークが合わない。

 55分、CKのこぼれ球を近藤がシュート。これがDFに当たってディフレクトすると、川村が詰めて愛媛が先制。流れが悪い時間帯だっただけに、乗り切りたかったが、先制を許す。

 0-0である程度の時間を消費させることが求められていた中で、ウチはどこかでアクションを起こさざるをえなくなった。

 そこで、今日は相手との間合いが合ってなかった勇利也に替えて小島、直後には久保田→翔大、高木→北川で反撃を試みる。
 なお、小島が出てきた直後の愛媛の6番のプレーはボールアクションではなく、両足で滑った著しく悪質であり、その後の態度含めて看過できないものだったことを申し添える。あんなクソみたいなタックルで壊されたら黙ってはいられない。

 67分、ロングボールに広大が対応するも、クリアが中途半端になりサイドに展開されてしまう。ボールホルダーへのアプローチが緩くなったことで忽那から中央の藤本へ。藤本は完璧なターンから右足で狙うも、ポスト。

 命拾いしたが、後半になってろくにシュートすらなく、じり貧状態。それを打破したのがジャスだった(ちょっと強引なまとめ)。
 75分、北川がPA内でボールを収めて稔也へ。稔也の左足クロスは精度が伴わなかったが相手のクリアは短い。すると、そこに走り込んだジャスが左足でジャストミート。地を這うような軌道のボールは相手に当たってしまうが、その次のフェーズでCKを獲得。
 大前の素晴らしいボールに相手は困惑する。3人でボールに向かうも誰もまともな対応ができずに流れてポストに当たる。跳ね返ったボールは広大の元に飛び、プッシュ。試合を振り出しに戻す。

 その後は大武の試運転などを行いつつ勝ち越しを狙ったが逆転には及ばず。最低限のタスクを全うして終える。

雑感

 本当にこのチームは残り15分で全てを決しようとする秋葉政権2年目劇場型サッカーを目指すのかもしれない。

 ファーストアタックが嵌らず前進させるのは今後も覚悟しなければ。何とか高木が追える場面は追ってコースを限定するが、あれじゃ過労死する。4バック相手なら今日ほどは気にならないだろうが、にしても相手のセントラルを捕まえるのは誰かは定まらないとキツイ。

 困ったときのセットプレーで誤魔化せるのは今までのザスパにない武器だが、もう少し流れの中でのチャンスを活かしたい。
 ビルドアップの場面で、勇利也、中山辺りは今日苦労したが、ジャスの展開に救われた。あとは、広大はいつの間にあんなに綺麗なフィードが蹴れるようになったのか。高木への楔も何本かあったし、あのボールがあるのは大きい。今シーズンは足元の改善が見られていたが、最近は特に目を見張るものがある。大武が来たことで、今後は上手く休養を挟みながらも後方から支えてほしい。

 次は血で血を洗う戦。気が付けば同じ勝点で並んでおり、6ポインター。ここで勝ち切ってお互いにいるべき場所に近づくことが大切。国体の為に作った時代錯誤甚だしい、且つ、負の遺産感満載の新『陸上競技場』で叩きのめして、北関東のタイトルを確かなものにする。

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