五十歩百歩 vs大宮 1-2

 ヴェルディに力の差を見せつけられ、今季ワーストの内容で敗れて終えた前回の5連戦。そして先週末の今シーズン最後の5連戦の初戦、アウェーの愛媛戦。前半からアグレッシブに圧力を強めたチームは、後半中だるみするも途中出場の平尾、白石のセットの大仕事により勝ち点3を群馬に持って帰ってきた。来シーズンの降格争いのライバルでなろう相手にシーズンダブルできたのは大きい。群馬には勝てないってイメージを付けさせるの大事。当然、降格争いなんかしなけりゃいいんだけど…

 6ポイントマッチで蹴散らせたウチが挑む今日の相手はお隣大宮。前節に続きオレンジ色のチーム。コロナ関係の影響で11連戦、度重なる怪我人の嵐で野戦病院化。色々と事情はあるけど、今シーズンは見事に下位に低迷。ここ2年はプレーオフで昇格を逃していたが、今年に至っては仮にプレーオフが開催されていたとしても圏外。この感じ、どこぞの2部リーグ11年生のチームに重なるのは気のせいか。着実にJ2定着へと近づいている。
 今シーズンは例年以上に繋ぐ意識を持ってチーム作りを行っており、「困ったときのフアンマ」「困ったときのシモビッチ」サッカーからの脱却を試みていた。が、結局前線のターゲット不足解消の為にフリエからイバを緊急補強。からの負傷離脱。第三者からは迷走気味に映るが、思えばこのチームの強化部にいい思い出はない(当時の強化担当者が今や身内なのは棚に上げる)。ウチとしてはJ1経験チームに勝って勢いを付けたい。

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 ウチは前節から2枚変更。七聖が先発復帰。今節有給のKJのところには、愛媛戦で結果を出した白石が入る。

 対する大宮は前節から高山→畑尾の1枚変更。三門がメンバー外となる。

前半

 前節はファーストプレーから積極果敢に攻め込んだわけだが、今日は逆の立場となる。
 開始早々から大宮の圧力をもろに受け、黒川にシュートまで持ち込まれる。

 その後も相手に持たれる状況が続く。10分、大宮のCK。放り込まれたボールを1度はクリアするが、それに反応した黒川が振り抜く。そのボールがディフレクトしてしまい不運な形で先制を許す。

 先制点の形自体は虚を突かれた状態になったが、試合の入りからして納得の失点であった。ウチ相手にサイドを広く使うことの有用性はバレているが、今日はビルドアップの場面で広大のところを狙われた。執拗に限定され、広大、若しくは慶記がロングボールを蹴らざるを得ない状況を作り出された。

 32分、左サイドからボールを受けた青木がシュート。回転の変わったボールは枠の上を飛んで事なきを得た。しかし、稔也と七聖のマークの受け渡しのタイミングでプレスが弱まったところでパスを出されており、ヒヤリとした。

 ヴェルディ戦を思い出させるような沈黙のまま、折り返す。

後半

 後半もキックオフの流れのまま大宮のチャンスに結び付けられる。

 49分、敵陣で小島がボールを辛うじて残したが、そのボールを大宮が回収。山田が局面をひっくり返すロングボールを供給。七聖が対応するも、これが災いして相手のコントロールしやすい場所にボールを落としてしまう。抜け出した黒川から小野にボールが渡り、シュートを打たれる。これはブロックするも、小野はヘディングで繋ぎ、菊地がボレー。素早いカウンターで突き放されてしまう。

 2点のビハインドを背負ったウチは、小島→舩津、内田→宮阪、翔大→林の3枚替えで打開を目指す。
 一方で、大宮も富山とイッペイシノヅカを投入し、更に攻撃に幅を持たせる。実際に3点目を取るチャンスは複数回訪れたが、決めきれず。

 76分、広大の左足のフィードを舩津が相手と入れ替わって受け、オーバーラップした白石へ。白石はフェイクを入れながら逆サイドの稔也へ繋げる。稔也は少ないタッチで平尾へ。平尾はクロスを上げようとするがキャンセル。左足に持ち替えてシュートを放つ。これは笠原に防がれるが、こぼれ球を白石が反応しダイビングヘッド。泥臭く白石が2試合連続ゴールを奪い、一矢報いる。

 その後、パワープレーで同点を目指すもゴールを奪えず、1-2で終了。

雑感

 1点取れたことでダメージが軽減されたこともあるけど、相手の強さを思い知らされたヴェルディ戦と比べると、今日は自滅に近い印象。

 ビルドアップの出口がないことをスカウティングされて機能しなくなった。それに加えて、フィードのターゲットが翔大だけなのもバレてて、そこで競り負けるorセカンドボール回収で全然ウチのチャンスが作れず。3バックに攻めあぐねるのはウチの伝統だけど、サイドのスペースを消されると今シーズンは沈黙する。七聖と小島にピン止めされてボールを付け辛くなると、CBからボールを出す場所がない。
 そこを打開したのが舩津だったのは驚きも少なくない(良い意味で)。甲府戦で泉澤番を遂行するなど、守備面での貢献度の大きさが目立っている。けど、SBで出場した時には、常に高い位置を取ってボールを要求していて、チームを助けている。今日も、まさに舩津の立ち位置がカギとなった。白石を超えたポジショニングすることで相手のプレスのポイントを押し下げ、白石のボールを持つスペースを生み出していた。舩津が入った後、得点時以外にも白石がボールを持てる場面が増えていた。

 前半は虚無感しかなかったが、試合を通してみると多少なりとも改善されていたように思う。その前に見たヴェルディ戦があまりにも酷過ぎて感覚が麻痺してる気もしないでもないけど。試合ごとの波をいかに少なくしていくのか。残り試合でアベレージを保っていければ、来シーズンは期待できるものになるのではないか。

 大八に更に足元の技術が備わったらどんな選手になるのか楽しみ。

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